2020-04

11・22(木)ズネニェク・マカル指揮チェコ・フィル「わが祖国」

  すみだトリフォニーホール

 テレビの「のだめカンタービレ」のヴィエラ先生役ではマカル、今回の招聘元の表記もマカル。オクタヴィア・レコードでは「チェコ語読みではこうだ」と言ってマーツァルを押し通す。ご本人は以前は英語読みで「マカルと呼んでくれ」と言い張っていたが、最近では「どっちもいいよ、もう」と諦めたような雰囲気も。しかし何年か前、パーティで挨拶したチェコ大使館の人は「マエストロ・マチャル」と発音していた。

 そのマカル、チェコ・フィルの首席指揮者は今年夏にすでに退いているとのことだが、今回のツァーはコンビでやってきた。「わが祖国」となれば、チェコの第2の国歌のような作品といえようが、本当に味のある、雰囲気豊かな演奏を聴かせてくれた。これはもう、理屈では解明できない「お国もの」の強みだろう。
 「モルダウ」のあの有名な主題など、まさに懐かしさを感じさせる「歌」そのもので、あたかも歌詞をつけて語っているようなリズムとアクセントで演奏されているのが興味深い。オーケストラのアンサンブルはそれほど緊密ではなく、かなり自由な感興にあふれたものだが、しかし見事に呼吸の合った表情も随所に備わっていて、その自由さが綿密なリハーサルの上に組み立てられたものであることがわかる。激しいデュナミークも、スコアの指定に忠実に沿ったものだ。
 「ヴィシェフラド」での壮絶な推進力、「シャールカ」や「ボヘミアの森と草原より」「ターボル」などでの劇的な迫力など、全体に激しい気魄にあふれた演奏であったが、それゆえに高揚した気分が続きすぎたあまり、「ブラニーク」の大詰めの個所に最終の頂点としての効果を発揮できなかったきらいがなくもない。その部分は、豪壮ではあったものの、少々大味な演奏になっていたのである。だが、よい作品だと聴き手に思わせる、聴き応えのある「わが祖国」であった。
音楽の友08年新年号演奏会評

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