2019-05

4・23(土)ラドミル・エリシュカ指揮札幌交響楽団 「スターバト・マーテル」

   札幌コンサートホールkitara  3時

 あのエリシュカが、気心知れた札響を指揮してドヴォルジャークの「スターバト・マーテル」を演奏する。
 日本中のオケから引っ張りダコのエリシュカだが、こういう大曲を日本のオケで指揮する機会は、今回が最初ではないかと思う。
 これはもう、聴きに行かずにはいられない。土砂降りの雨に閉口しつつ、とにかく朝8時半発のANA59便で札幌へ向かう。

 協演は、半田美和子(S)手嶋眞佐子(A)小原啓楼(T)青山貴(Bs)、札響合唱団、札幌アカデミー合唱団、札幌放送合唱団(オルガン奏者の名はプログラムにクレジットされていない)。今日は定期の2日目である。

 心より出でて心に入る、とは、このような演奏を指して言うのだろうか。深く沈思するような曲想に満たされたこの曲を、エリシュカはこの上なく誠実に滋味をあふれさせつつ指揮し、札響もこれに応えて真摯な演奏を行なった。
 合唱、声楽ソリストも同様で、すべての人たちが力まず、自然に、しかも感情豊かに演奏し歌っていたために、音楽には実に温かい情感が漲っていたのである。

 全曲1時間半、すべてアンダンテあるいはラルゴ、ラルゲットといった遅いテンポで悲しみを歌い続けていた音楽が、最後の第10曲の後半で初めてアレグロに変わって高潮する瞬間の素晴しさもこの曲の特徴の一つだが、そこでのエリシュカは、音楽の流れを適度に解放しつつ、しかも静かな祈りを以って曲を結んで行った。

 アンサンブルの点で言えば、この最後の部分だけ、レコーディングに喩えればちょっと「録り直し」(?)したくなるような感じもなくはなかったが、しかし総体的に立派な演奏であったことは、どこから見ても疑いはない。
 特に後半、第6曲の後半や第9曲で、陰翳豊かな音色と静かな力に富んだリズムで進んで行くあたりの札響、実に好かった。また、このあたりでの声楽ソリストたちが本当に美しく気品高く歌っていたのにも嬉しくなった。わざわざ札幌まで聴きに来た甲斐があったというものである。

 夜7時半から、打ち上げを兼ねてエリシュカの80歳を祝うパーティが、楽員と事務局の有志で行なわれると聞いたが、私は翌朝の帰京に備えて新千歳空港内のホテルに泊まるため、残念ながらお誘いを失礼した。エリシュカ、とにかく元気で、めでたい。

 (追記)タイトル・ページには載っていなかったオルガン奏者は、巻末の札響メンバー表の中に載っている米山浩子さんだそうです。札響定期会員の方から教えていただきました。

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