2019-07

4・14(木)モーシェ・アツモン指揮東京都交響楽団

   サントリーホール  7時

 かつて都響の首席指揮者だったこともあるアツモン。実に久しぶりの客演指揮。
 さすがに、昔聴いた時よりもずっと味のある指揮者になっていた。

 プログラムは、前半に竹澤恭子をソリストに迎えてのエルガーの「ヴァイオリン協奏曲」、後半にブラームスの「交響曲第2番」。
 竹澤恭子は、いつに変わらぬ鮮やかな安定ぶりで、骨太かつしなやかなソロが素晴らしい。第3楽章後半の、例のカデンツァの個所などでは、息を呑ませる演奏を聴かせてくれた。

 都響の方は、東京都の指令かオケ当局の意向かはともかく(少なくともあの時インバル自身は来る気があったそうだ)長期間オケとして何もやっていなかったせいか、以前の高い演奏水準はどこへやら、音色もアンサンブルも、演奏の覇気も錆びついてしまっていて、やれやれと落胆。
 しかし、交響曲の第2楽章あたりからは、少しずつ回復の兆し。後半2楽章では突然緻密さと均衡を取り戻し、滋味ある演奏の裡にブラームスを締め括った。

 その他に関しては「音楽の友」6月号の「演奏会評」にて(あそこに評を書く時には、ブログで事前に詳しく書くのは避けるという約束になっている)。

 演奏会の冒頭では、アツモンのスピーチと、舞台の照明を半明りにしてのバッハの「アリア」の演奏、そして黙祷。
 この「管弦楽組曲第3番」の「アリア」、いつ頃から誰が始めたのか、今ではすっかり「追悼の音楽」になってしまった。すでにこの1ヶ月来、何度聞いたことか。都響にしてみれば、これが初めて(今頃?)というわけなのだろうが。

 世の中には、定期をやりたくても出来ない状況に追い込まれている仙台フィルのようなオーケストラもあるのだ。恵まれた立場にいる都響には、自分たちの本来の責任というものを、もっとよく考えてもらいたいものである。

   音楽の友6月号 演奏会評

【追記】
 1954年12月4日、ハンブルクの聖霊教会で行われたフルトヴェングラーの葬儀では、オイゲン・ヨッフム指揮するベルリン・フィルが追悼としてこの「アリア」を演奏したという。また1955年1月14日と15日に行われたウィーン・フィルによるフルトヴェングラー追悼演奏会でも、冒頭にカール・シューリヒトの指揮でこの曲が奏されたという(「大指揮者カール・シューリヒト 生涯と芸術」アルファベータ刊)。ただしこれらがその慣わしの最初だったかどうかは、記されていない。

コメント

<<この「管弦楽組曲第3番」の「アリア」、いつ頃から誰が始めたのか>>
自分の記憶の中に、阪神淡路大震災の後、小澤指揮/NHKsoの共演が20数年ぶりに実現したとき、最初にやりましたよね。あのとき、ロストロポーヴィッチがドヴォコンやった後、なにかアンコールやって、沈黙の中、拍手もなく終演になった気がします。

やはり、こういうときに、実力ある日本のVn奏者が居ることは、とても重要な気がします。
楽器には、保険がかかっています。日本の保険会社と、シビアな現実主義の外資系保険会社が、万一、地震が収まらない限り、日本を保険の適用対象外なんてことでも。

今、某新宿の公園-Hホテルの最上階での、JAZZの演奏家みんな帰ってしまって。

こんなご時勢のときほど、日本人演奏家の、地道なレベルアップ。絶好の機会です。

この公演、行きました。今は、自粛ムードです。しかし、公演維持をしないと、あらゆる音楽界に停滞感を創出します。決してよいことではありません。

今日(4月15日金曜日)、年金支給日でした。とても手厳しいお客様の財布の紐の硬さでした。
3月は、一瞬タンス預金が絶好調に開いていました。4月に入り、まして11日の1ヶ月目。

作家出身の都知事様になり、文化行政への自粛喚起(団員の査定制度の厳格化。東京芸術劇場の存在そのものまで、問う)ことにならないことを、コンサートから帰る電車の中、ふと、あの人ならやってしまうだろうな。と思ったりもし。缶ジュースの件(自販機)同様に。

文化庁長官からは芸術活動を奨励する内容のコメントが発表されています!それっ、芸術家、ガンバレ!!http://www.bunka.go.jp/bunkazai/tohokujishin_kanren/chokan_message_2.html

コンサート・舞台・ライブ・・・純粋に楽しんでおります。
アツモン氏・・・安心感を感じる演奏でした。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://concertdiary.blog118.fc2.com/tb.php/961-9e308e4d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

























Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

最近の記事

お知らせ

●2007年7月以前のArchivesを順次、アップロード中です。併せてご覧下さい。
2007年7月
2007年6月
2007年5月
2007年4月
2007年3月
2006年7月

Category

ブログ内検索

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」