2017-10

10・9(土)ペーター・レーゼル ベートーヴェンのピアノ協奏曲

  紀尾井ホール  2時

 ドイツの名ピアニスト、ペーター・レーゼルが、ベートーヴェンのピアノ協奏曲ツィクルスの第1回を行なった。
 紀尾井ホールで毎年秋、4年がかりで展開している「ソナタ全曲ツィクルス」との関連企画である(第2回は来年秋になる)。

 今日は「第2番」「第3番」「第4番」の3曲。
 協演は紀尾井シンフォニエッタ東京、今回はコンサートマスターをスラヴァ・シェスティグラーゾフ(ケルン放送響コンマス)が客演で務めていた。指揮はシュテファン・ザンデルリンク。

 レーゼルの演奏については、以前に書いたことと同じだ。低音域を堅固な基盤にして、たっぷりとした厚みのある和音を積み上げ、ふかぶかとした響きで押して行く演奏だ。飾り気のない口調でありながら、強い説得力をもった語り口なのである。味わい豊かな演奏である。
 最近ではなかなか聴けなくなったタイプの、良き時代のドイツの伝統をといったものを感じさせるだろう。カデンツァなどで聴かせる、風格と温かさも絶品だ。

 紀尾井シンフォニエッタも、いつもとは些か異なる、非常に引き締まった響きを出した。このオーケストラがこのホールで演奏する時、コントラバスやティンパニなどの低音が唸って「音が回る」傾向がしばしばあるのだが、今日は歯切れ良かった。
 特に「第3番」が毅然たる風格を示して、圧巻だった。「第4番」のフィナーレは、少し粗くなったか。速いテンポで突き進む個所などではアンサンブルが荒っぽくなることもあるのだが、ベートーヴェンらしい強靭な意志を持つエネルギー性という点では、悪くない。

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