2017-08

8・7(土)ザルツブルク音楽祭 モーツァルト・マチネー
マルク・ミンコフスキ指揮ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団

         モーツァルテウム大ホール  11時

 このホールでこのオーケストラを聴いたことは何度もあるが――といっても十指に満たない回数ではあるが――今日の演奏は、その中でもベストの存在のような気がする。

 さすがミンコフスキ、オーケストラをがっちりと統率して、息もつかせぬ緊迫の演奏をつくり出した。
 主題やフレーズの一つ一つに精妙なニュアンスをあたえ、主題反復の際にも異なったデュナーミクやエスプレッシーヴォを導入する。そのため、音楽が実に多彩になる。それに、リズムのたたみかけの鮮やかさ、音楽のノリの良さたるや、胸のすくような勢いだ。

 オーケストラ曲は「皇帝ティトゥスの慈悲」序曲、「劇場支配人」序曲、交響曲「プラハ」だったが、特に「プラハ」では、コントラバスの女性奏者が実に楽しそうに全身でリズムに乗りながら弾いていたのが印象的だった。この曲での演奏は沸騰していて、見事のきわみ。聴くこちらも至福のひとときを堪能した次第である。

 これら3曲の間に加えられていたプログラムは、コンサート・アリア「あなたは今は忠実に」K.217と「心配しないで、愛する人よ」K.505、モテット「踊れ喜べ、汝幸いなる魂よ」の3曲だったが、それらを歌ったジュリア・レーズネワJulia Lezhnevaというロシア出身の若いソプラノが、また実に良かった!

 コロラトゥーラを正確に決めながら、低音域にも力強い明晰な膨らみを響かせるところなど、驚異的な見事さだ。未完成の要素はまだ多分にあるけれども、20歳(だそうである!)の若さでこれだけ歌えるのだから、このまま真っ直ぐに伸びていったら、素晴しい歌手になるだろう。
 第1部の最後にアンコールで「アレルヤ」をもう一度歌い、更にコンサートの最後にまた現われて、「フィガロの結婚」からのスザンナのアリア「早く来て、愛しい人」を歌ったが、後者はまさに美しくて清楚で、チャーミングだった。
 午後1時終演。

コメント

この公演を昨日、オランダのネットラジオで聴くことができました。とてもスカっとする演奏でミンコフスキをますます好きになりました。ユリア・レズネワも堂々としていて日記の情報で20歳ということを知らなければ結構キャリアのある歌手と思っていたに違いありません。現地で聴ける東条先生を羨ましく感じますがタイムラグ無くそこそこの音質で聴ける今の環境を満喫しています。

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