2020-04

5・3(月)ラ・フォル・ジュルネ ポゴレリッチとシンフォニア・ヴァルソヴィヴィア    

  東京国際フォーラム ホールA=フォンタナ 2時半~4時3分

 イーヴォ・ポゴレリッチがショパンの「ピアノ協奏曲第2番」を、今日はゲオルギー・チチナゼ指揮するシンフォニア・ヴァルソヴィアとの協演で弾いた。

 彼の演奏は、基本的には先日と同じだったが、印象が大きく異なった点がある。
 一つは、今回は指揮者とオーケストラがポゴレリッチにピタリと付け(とりあえずそう聞こえた)、フィラデルフィア管との時のような殺気立った雰囲気(?)を感じさせなかったこと。そして、5千人収容の巨大なキャパのホールが、ポゴレリッチの強靭な打鍵をもさほど刺激的に感じさせなかったこと。

 極めて大雑把に言えば、今日こそは、「協奏曲でのポゴレリッチ」の本領が堪能できたというわけだ。ピアノが壊れるのではないかと思わせるような最強音から軽い羽毛のような最弱音まで、それらが瞬時に交替する魔術的な凄味は、筆舌に尽しがたい。変幻自在のテンポは聴き手を緊張させ、スリルを味わわせ、疲労に誘い込む。

 改めて痛感することだが、とにかくこれは、物凄いピアニストである。演奏時間は先日のより伸びて、ほぼ40分。ご丁寧にアンコールとして第2楽章(13分)を全部繰り返したが、その二つの演奏で細部のテンポや音の組み立て――弦のトレモロを背景にしたカデンツァ風のソロから主題に戻る個所など――が微妙に異なっていたのが面白かった。おそらく彼は、演奏のたびごとに、常に新しいアイディアを組み入れているのではなかろうか。

 プログラムは、この協奏曲の前にエルスネル(ショパンの師)の「交響曲ハ長調作品11」が取り上げられていた。2曲とも、ゲオルギー・チチナゼ指揮のシンフォニア・ヴァルソヴィアの美しくしっとりした演奏が印象的だった。

 ちなみに、この演奏会の最初のスケジュールは2時半~3時半。同じ会場で次から次へとコンサートが行なわれる「ラ・フォル・ジュルネ」のタイムテーブルで、30分も時間が延びたのであった。ひとごとながら気になる。

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ポゴレリッチのアンコール

アンコールで第2楽章を演奏したのには理由があったと思います。

本演奏では第2楽章を静かに始めたところで、1階中央の子供が急にかなり大きな声を出したために、演奏が止まってしまいました。この公演は3歳から入場が許されているので、ある意味しかたがありません。ポゴレリッチが止めてやり直すのか、どうするのかとヒヤリとしたところ、ポゴレリッチはニヤッと笑ってそのまま続けました。これがアンコールで第二楽章をまた演奏した理由だと思います。

カーテンコールの2回目か3回目にポゴレリッチが分厚い楽譜を持って出てきたのでビックリ。いったい何をしようと言うのだろうと思っていると指揮者に力強くⅤ字を出したので「えー、あの長い第2楽章を全部やると言うこと?」とまたまたびっくり。
弾き始めて、なるほど、あの止めてしまったことを「傷」と捉えてやり直すのかと気付きました。
しかし、今度は管楽器の団員の咳がとまらなくなり似たり寄ったりの雑音になってしまいました。
演奏は最初の演奏とは全く違うと感じました(どう違うのかは説明できませんが…)。

私はショパンは、どうも苦手でほとんど聴いたことがありません。しかし、この「ピアノ協奏曲第2番」を一度も聴いたことがないというはずはないのですが、初めて聴いた曲のように感じる部分が多かったですね。

全体に「ただならぬ」と言う感じの演奏。
指揮者はポゴレリッチに寄り添ってゆったりと演奏。しかし、音が先で指揮が後になっている感じのところがあったり、ピアノとリズムが合わなくなったりするところもしばしばあり、はらはらどきどき。
緊張感あふれる演奏でした。
東条さんが「強い打鍵」と言われていた点は、5,000名収容のホールでは気にならず、むしろ感動につながりました。弱音も充分美しいと感じました。

指揮者のチチナゼは最初の曲、エルスネル(モーツァルトみたいな曲ですね)では楽しい雰囲気でニコニコ指揮していましたがショパンでは一度も笑っていなかったような…(あの雰囲気では笑えませんね。どう演奏するのか「ついて行く」ので精一杯の雰囲気)。

エルスネルの演奏で感じたところでは、この指揮者は分かりやすい指揮で、見た目としての指揮姿も美しいと感じました。他の演奏を聴いてみたいです。前夜祭でも指揮したようですね。

私はポゴレリッチを聴くのは初めて。たぶんCDでも聴いたことがありません。
最近は丸坊主の写真しか見たことがなくそういうヘアスタイルだと思っていたので出てきたら「髪が長い。アレレ」と言う感じでした。

今回、9列目65番と言う席は団員全員をはるか向こうに背中から見る感じになるのですが、巨大スクリーンは目の前。ポゴレリッチの手はとても巨大で普通の人の1.5倍はあるように見えました。

それにしても1時間の予定のコンサートが1時間15分となり、更に長いアンコールが入ると言うことでいやはや「お徳なコンサートだった」と言うべきかも知れません。

ポゴレリッチはアンコールの後、楽譜を畳んで手に持ち、自分でピアノの蓋を閉めていました。「もう弾きませんよ」との意味ですね。どう考えてもまたアンコールを要求する人はいないと思いますが、「アンコールを要求されるかも」と思った訳ですね。強引な演奏の雰囲気とは違って、この人は何だか脳天気な人なのかなあと思いました。本当はどういうキャラクターの人なのか知りませんが。

5,000名がほぼ全員恐らく初めて聴くようなエルスネルを聴いてヘンなところで拍手が出てこないと言うのは観客の質が高いと言うべきか。エルスネルでは楽章毎に拍手をする人がいるのではないかと想定しましたが、良い意味で裏切られました。

一方で、楽章の合間で大きな咳をすると言う人が少なくなく、5,000名の何割かがこのような習慣を持つと凄い騒音。エルスネルの第1楽章終了後の2階席のある人の咳の轟音は失笑さえ買っていました。

ショパンのコンチェルトでは第2楽章と第3楽章が続けて演奏されたので観客の咳の行き場がなくなって第3楽章の最初は大きな咳が固まっていたのはやや残念。

咳が出る時はハンカチかタオルで覆って自然に咳をする方が良いかと思います。イギリスでは「(フォルティッシモの騒音になるので)咳をする時はハンカチで覆え」と指導してくれますが、日本ではそれがないのが残念です。インフルエンザ等の感染防止の観点からも広がって欲しい習慣です。5月4日に行ったル テアトル銀座では上演前に咳についての放送が入り、かつロビーにたくさんの張り出しがされていました。しかし、守っている人は少ない。

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