2020-05

4・15(木)METライブビューイング トーマ:「ハムレット」

  東劇(銀座) 7時

 3月27日メトロポリタン・オペラ上演の映像配信。

 3月16日に現地METのグランド・サークル席からプレミエを観た時に比べ、さすがに至近距離のアップ映像で観る舞台は、演技の細かい表情が判って面白い。
 サイモン・キーンリイサイド(ハムレット)が非常に細かい「顔の演技」をしている様子など、あの巨大なMETでは、たとえどこの席からであろうと見えるわけはないのだから、この映像配信は貴重だろう。
 クローディアス王を演じるジェイムズ・モリスが威風堂々として、とても兄王暗殺犯人とは見えないこと、その代わり王妃ジェルトリュード(ガートルード)役のジェニファー・ラーモアがあくどい顔の演技で、むしろこちらの方が嫌らしい悪女みたいに見えること――などが、現場で観た時の印象とは違ったところだ。

 オフィーリア(オフェリア)役のマルリス・ペーターセンは、プレミエの日とは比べ物にならぬ見事な歌唱。
 私もあの時は「緊張していたのか」と書いたくらいだが、この映像の幕間インタビューでも、「12日までウィーンで歌って、翌日飛んで来てすぐリハーサル(2日間)をやり、本番に臨んだ」と語っていた。もともとデセイとのダブルキャストにより最終公演(4月9日)で歌うことになっていたとはいえ、急遽繰り上げての初日からの「ベタ出演」となったのだから、スケジュール調整も大変だったわけだろう。
 しかし今日の映像では、彼女の実力が並々ならぬものであることが証明されている。これからいっそう人気が出る人だろう。

 もう一つ、重要なこと。これも幕間インタビューで、指揮者のラングレが、
 「トーマは最初、ハムレットが幕切れで死なず、新王として即位するエンディングを書いたのですが、フランスではともかく、シェイクスピアの国たる英国での上演では観客が承知しないということが判り、英国人向けとして、ハムレットが最後に自害するという幕切れに変更したのです。今ここで上演しているのは、その英国用の版なのです」と説明していた。
 なるほど、そういうことだったのか――と、お粗末ながらも今になって知った次第である。たいへん勉強になった。
 ただ、今回のパトリス・コーリエとモーシュ・レイゼルによる演出では、ハムレットが「自害」するのではなく、ラエルト(レヤーティーズ)ともみ合い、はずみで相手を死なせてしまい、自らも深傷を負うという設定になっているのだから、いずれにせよ演出が読み替えになっていたのは事実だった――とは苦しい言い訳。

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