2020-05

12・3(木)アダム・フィッシャー指揮
オーストリア・ハンガリー・ハイドン・フィルハーモニー

   サントリーホール

 ハイドン没後200年の今年。
 しかし振り返ってみると、ハイドンの作品を聴く演奏会は決して多くなかった。
 その中で最も強く印象に残っているのは、やはりブリュッヘン指揮新日本フィルの「ロンドン・セット」ツィクルスと、先日のミンコフスキ指揮ルーヴル宮音楽隊の演奏会である。そして――今夜のハイドン・プログラムもそれに加わるだろう。

 首席指揮者アダム・フィッシャーが指揮するオーストリア・ハンガリー・ハイドン・フィルは、8・6・5・4・2の弦と2管ずつ、打楽器1の38人編成。
 モダン楽器のオーケストラだから、ルーヴル宮音楽隊よりもずっと柔らかい音色だ。が、リズムは非常に明晰で鋭く、メリハリも強いので、音楽の緊迫感と躍動感に関しては前者に些かも引けをとらない。
 交響曲では「時計」と「ロンドン」を演奏したが、後者ではメヌエットの最後の4小節のホルンとトランペットを割り気味の音色で強奏させたり、第4楽章のフォルツァートを要所で強調してリズムに大きな揺れをつけたり、といった具合に、かなり細かく音楽をつくり、起伏の大きな演奏としていた。

 「トランペット協奏曲」では、往年のウィーン・フィルの名手ハンス・ガンシュがソロを吹いた。
 懐かしい。独特のウィーン的な、官能美さえ匂わせる音色である。まだ56歳だから、あのくらい吹いても不思議はない。「もうトシだ」という人もいるが、華麗で完璧なテクニックを望むなら全盛期のモーリス・アンドレのディスクでも聴いていればよいのであって、ガンシュを聴く時にはむしろ、あの酸いも甘いも噛み分けた円熟の名匠の味を愉しむべきだろう。

 もう1曲は、ヘルムート・シュミーディンガー(1969年生)の「ハイドンに関するメタモルフォーゼ」と題された、3楽章のヴァイオリン協奏曲。「委嘱初演」とクレジットされているが、詳細は定かならず。総じてあまり面白い曲ではないが、テンポの速い両端楽章は良い。小林響のソロも良かった。
 

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