2020-04

11・27(金)井崎正浩指揮ハンガリー・ソルノク市交響楽団

   東京オペラシティコンサートホール

 外来オーケストラのプログラムにやたら「巨人」ばかりが目立つ昨今、ハンガリーのローカル・オーケストラ――ソルノク市交響楽団は、彼らならではの特色を発揮するプログラムを携えて来日した。バルトークの「ハンガリーの風景」、同「ピアノ協奏曲第3番」、現代作曲家チェミツキの「アヴェ・マリア」、コダーイの「ミサ・ブレヴィス」。

 指揮は、2007年からソルノク市の音楽総監督に在任する井崎正浩である。14年前、ブダペスト国際指揮者コンクールに優勝したキャリアを持つ彼には縁のある活動場所と言えよう。
 このオーケストラは、1965年の創立という。最良の意味での「地方性」を誇らしげに持ち続けているオーケストラで、ハンガリーの作品を演奏して聴かせる時の音色や音楽の表情には、素朴で温かい、懐かしい感情を呼び起こすような、独特の雰囲気があふれている。そのオーケストラの個性を、井崎も十全に発揮させようとしているのだと思われる。

 バルトークの作品における音色の美しさは印象的だったし、無伴奏の短い合唱曲「アヴェ・マリア」を導入として切れ目なしになだれ込んだ「ミサ・ブレヴィス」での深い情感もすばらしいものであった。
 アンコールはブラームスの「ハンガリー舞曲」の第1番と第5番だったが、いずれも合唱入りのヴァージョンで演奏され、実に面白かった。後者など、あのエンディングはまさに「チャールダシュ」そのものだったのか、と改めて気づかされたくらいだ。

 合唱はバルトーク・ベーラ室内合唱団、ソルノク・コダーイフェスティバル合唱団、それに日本のハンガリーフェスティバル合唱団Tokyo。声楽ソロはポコル・ユッタ(A)、ムック・ヨージェフ(T)、イェクル・ラースロー(B)、清水理恵(S)。ハンガリー勢の荒削りな迫力と、日本勢の整った音色の対比が一興であった。ただし干野宜大のピアノは、あんなに乾いた音で叩きつけるように弾かれては、オーケストラとは水と油だ。

 ちなみに今回の来日公演は、日本・ハンガリー外交関係開設140周年および国交回復50周年、日本・ドナウ交流年2009などを記念するものの由。

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