2020-04

11・16(月)アラン・ギルバート指揮北ドイツ放送交響楽団

  ハンブルク・ライスハレ

 ライスハレ(旧ムジークハレ)は、2RANG(3階)まである客席を持つクラシックな雰囲気のホール。1階18-13という席が音響的に良いのか悪いのかは未だ判断しかねるが、やや音が散る傾向にあるかもしれない。溶け合ったアンサンブルを愉しむというわけには行かない。その代わり、オーケストラを近距離で聴くという感じになる。

 今夜は北ドイツ放送響(NDR)を、アラン・ギルバートが客演指揮した。
 彼がドイツのオーケストラをどのように指揮するのか――を知りたくて私も聴きに来たわけだが、プログラムがバッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲」とストラヴィンスキーの「ヴァイオリン協奏曲」、ハイドンの交響曲「マリア・テレジア」、ベルクの「3つの管弦楽曲」という比較的ハイブロウで硬質(?)なものばかりなので、アランもいつも以上に抑制した指揮をせざるを得なかったのかもしれない。

 聴衆の側でも、ヴァイオリン協奏曲が2曲続いた前半が終り、休憩後の1曲目を飾る「マリア・テレジア」が――如何にハイドンとしては軽快華麗な曲想とはいえ――小編成で室内楽的に開始されたのでは、解放的な気分にはなれなかったのだろう。
 特に保守的な好みの高齢者にとっては、この日のプログラムはどうだっただろう。ハイドンが終ったあとで、早くも帰り始める高齢の客が何人もいる。そしてベルクが終ったあとでは、みんな席を立つのが早いのなんの。両側のじいさんばあさんたちが拍手もそこそこに席を立とうとざわついているのを見ると、こっちは意地でも、通路を塞いで動かずに拍手を続けていてやろうという気にもなってしまう。
 アランの地味だが誠実な指揮に反応している客は、1階の客の中では、半分ほどか。

 因みに、この日最も盛大な拍手を受けたのは、ストラヴィンスキーを弾いたレオニダス・カヴァコスだった。
 この人を聴いたのは昨年夏のエディンバラ以来だが、本当に彼の音楽は厳しく強烈な放射力を持っている。何気ないジェスチュアで弾くのだが、その一音一音が毅然としていて、聴き手の心にぐいぐいと切り込んで来る、といった演奏なのだ。聴衆が湧いたのも無理はない。
 なお、バッハの協奏曲でもう1本のヴァイオリンを弾いたのは、ほかならぬアランであった。カヴァコスと並んで弾いたのでは誰だろうと分が悪いが、まあ仕方なかろう。

 アランは11月のNDR定期にもう一度客演して、チャイコフスキーの第4交響曲などを指揮することになっている。そちらの方なら、拍手も長く続くだろう。
 今回のハンブルク旅行は、たったこれだけでお終い。明朝発つ。

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