10月12日(金) マリオ・ブルネロ(指揮、チェロ)&紀尾井シンフォニエッタ東京
紀尾井ホール
相性のいいコンビ、1年ぶり4度目の共演。オーケストラさえ、いつもより生き生きしているように感じられる。
武満徹の「弦楽オーケストラのための3つの映画音楽」で始まったが、これはやや生硬な感があって、武満の音楽の流れるような趣に不足した。初日の1曲目としては、ブルネロはずいぶん難しい作品を選んだものだ。だが演奏にはメリハリがあり、各声部のラインがはっきり顕れ、日本人指揮者が手がける武満の作品とはまた違った明晰さが出ていたことはたしかである。
2曲目は、ニーノ・ロータの「チェロ協奏曲第2番」。この曲がこれほど面白いと思えたのは初めてだ。カンタービレに富んでいて、洒落っ気もあり、盛り上がりもある。豊嶋泰嗣をリーダーとするオーケストラの自発性に富む演奏も見事で、特に管楽器群が冴えていた。ブルネロのソロが実に明朗で、張りと艶があり、時に甘美な、時に激しい表情を示すのがすばらしい。
最後はベートーヴェンの「田園」。予想どおり、ブルネロの主張を細かに折り込んだ演奏で、非常にユニークなもの。第1楽章はゆったりと発進し、1拍目に心持ちアクセントをつけて進む。少し持って回った演奏ではあるが、何か手づくり風「田園」といった感じで、面白い。高揚個所での豊麗な響きは、このオーケストラが滅多に出したことのないものだ。第5楽章にクライマックスを設定し、そこではおもいきりオーケストラを歌わせるといった演奏である。ただ、彼のねらいは、特にクレッシェンドの個所で、さらに大きく豊麗に音楽を拡がらせたかったのではなかろうか。
☞「音楽の友」12月号演奏会評
相性のいいコンビ、1年ぶり4度目の共演。オーケストラさえ、いつもより生き生きしているように感じられる。
武満徹の「弦楽オーケストラのための3つの映画音楽」で始まったが、これはやや生硬な感があって、武満の音楽の流れるような趣に不足した。初日の1曲目としては、ブルネロはずいぶん難しい作品を選んだものだ。だが演奏にはメリハリがあり、各声部のラインがはっきり顕れ、日本人指揮者が手がける武満の作品とはまた違った明晰さが出ていたことはたしかである。
2曲目は、ニーノ・ロータの「チェロ協奏曲第2番」。この曲がこれほど面白いと思えたのは初めてだ。カンタービレに富んでいて、洒落っ気もあり、盛り上がりもある。豊嶋泰嗣をリーダーとするオーケストラの自発性に富む演奏も見事で、特に管楽器群が冴えていた。ブルネロのソロが実に明朗で、張りと艶があり、時に甘美な、時に激しい表情を示すのがすばらしい。
最後はベートーヴェンの「田園」。予想どおり、ブルネロの主張を細かに折り込んだ演奏で、非常にユニークなもの。第1楽章はゆったりと発進し、1拍目に心持ちアクセントをつけて進む。少し持って回った演奏ではあるが、何か手づくり風「田園」といった感じで、面白い。高揚個所での豊麗な響きは、このオーケストラが滅多に出したことのないものだ。第5楽章にクライマックスを設定し、そこではおもいきりオーケストラを歌わせるといった演奏である。ただ、彼のねらいは、特にクレッシェンドの個所で、さらに大きく豊麗に音楽を拡がらせたかったのではなかろうか。
☞「音楽の友」12月号演奏会評
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