2019-05

9・28(月)河村尚子ピアノ・リサイタル

   紀尾井ホール

 大型新人ピアニストのソロ・リサイタル。

 前回(3月24日)にこのホールで聴いたリサイタルは特定会員向けのものだったが、それから僅か半年しかたっていないにもかかわらず、演奏には早くも驚異的なほど深みと多彩さが増している。
 ハイドン、シューマン、メンデルスゾーン、ショパンの作品――と並べたメイン・プロに、アンコールもドビュッシー、シューマン、モーツァルト、ショパン、シューベルトといったようにすこぶる多様な作曲家が選ばれており、それらの作曲家の個性の違いを明確に浮彫りにした見事さにも感服させられた。

 しかもたとえば、同じショパンの作品でも、「華麗なる変奏曲」では左手と右手の声部をそれぞれ鮮やかに浮き立たせて対話のように語らせたかと思えば、「幻想ポロネーズ」では流れるような和声の豊潤さを印象づけ、一方「練習曲作品10-8」では、和声の響きにユニークなバランスを導入して新鮮さを生み出す、といった具合に、それぞれ独創性を発揮させる術にも事欠かない。
 そして、それらを一つの流れに統一しているのは、揺るぎない楽曲構築力、綿密に組み立てられた厚みある和音、重厚で骨太な響きを生む低音の力強さなど、彼女の音楽が持つ独特の個性であるといってもいいのだろう。

 これだけ主張の明確な、思い切りのいい、壮大な演奏をする若手女性ピアニストを聴くと、胸のすくような思いになる。すばらしい人が出て来たものだ。

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