2020-04

6・20(土)
アレクサンドル・ラザレフ指揮日本フィルハーモニー交響楽団
プロコフィエフ交響曲ツィクルス Ⅱ

    サントリーホール (マチネー)

 前回の「1番」「7番」に続き、今回は「2番」。
 「鉄と鋼(はがね)の交響曲」と呼ばれる凶暴無比な大音響を持った作品の性格を十二分に発揮させた、ラザレフ特有の豪快な演奏となった。日本フィルも完璧に応えていただろう。

 全管弦楽の咆哮も並外れたものだが、しかしそれは、ただ大音響を誇示するのではなく、適切なバランスと、鋭いが豊麗なふくらみを保った最強奏となっていたのが良い。
 特に感心させられたのは、その咆哮の間を縫ってそれほど強くない音量で躍動する弦楽器の音色が、見事に統一されていたこと――たとえば第1楽章冒頭の金管の怒号が一段落したあと、弾むように現われる弦のモティーフのしっとりした音色。

 僅か半年前にはあんなに荒れ放題だった日本フィルの弦が、よくこれだけ早く復調したものである。指揮者次第では、これだけの実力を発揮できる日本フィルなのだ。
 沼尻竜典(5月)とラザレフ(今月)とでここまで持って来た水準を、だれか粗っぽい指揮者がぶち壊さなければいいのだが、これまでの例からすると、残念ながらまた元の木阿弥になる公算大?

 なおこの交響曲のあとに「口直し」とかで、同じプロコフィエフの「3つのオレンジへの恋」からの「行進曲」が演奏された。これまた豪壮華麗なアンコールである。

 プロコフィエフに先立つ第1部のプログラムでは、最初にチャイコフスキーの組曲第4番「モーツァルティアーナ」。ナマでこの曲を聴けたのはこれが3度目くらいか。
 いい曲なのだが、俗受けしないタイプの作品なのかもしれない。骨太で強面な演奏だった。

 2曲目は、モーツァルトの「ヴァイオリン協奏曲第3番」。
 オーケストラは何となく「牛刀を以て鶏を――」的だったが、ソリストのニコラ・ベネデッティが非常に色の濃い演奏を聴かせたので、これも骨太なモーツァルトになって面白かった。
 もっとも、彼女の強烈な個性が遺憾なく発揮されたのは、アンコールでのイザイの「ソナタ第5番」の第2楽章だったが。

コメント

日フィル

初めてコメントさせていただきます。いつも参考にさせていただいております。
東条さんのFM東京時代の武満氏と小澤氏と共同作業となったエピソードも以前本で読んで感銘を受けました。

さて、日フィルですが、私も最近のこのオケのサウンドが変貌してきているのを感じておりました。ともすれば最強奏の際に音が荒れがちになるこのオケが、密度の濃い音色で、何より弱音の美しさが増したような気がします。
先日のみなとみらいでのブラームスの1番が予想を超える名演だったので、この定期も期待していましたが、素晴らしかったと思います。

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