2019-10

4・25(土)金聖響の神奈川フィル常任指揮者就任披露定期

   横浜みなとみらいホール

 金聖響が、神奈川フィル常任指揮者に就任した。

 その最初の定期は、ハイドンの「時計交響曲」とベートーヴェンの「英雄交響曲」。アンコールにベートーヴェンの「プロメテウスの創造物」序曲。さすがに人気の金聖響、ホールはほぼ満席である。
 このプログラム、アンサンブルを整えるのには、絶好のレパートリーであろう。かなりリハーサルを重ねたことを思わせる演奏であった。

 とはいえ、このオーケストラの特徴ともいえる音のエネルギーの少なさ、音量の小ささ、最弱音のか細さは、最初のうち根強く残っており、音楽の生気の不足は如何ともし難いと感じさせたのは否定できぬ。
 それがやっとどうやら解放に向かいはじめたのは、「英雄」第2楽章マジョーレのクライマックス以降だったであろう。第2楽章後半から第3楽章にかけては、実に立派な演奏であった。第4楽章最後のプレストなど、普通のオーケストラだったらもう一押しヴォルテージが上るところなのに――と歯痒いが、まず全体としては善しとすべきであろうか。
 ただ、第2楽章【D】以降及び第3楽章トリオにおけるホルンの高音域を部分的に音色を変えて吹かせた(ゲシュトップトに似て非なる、また所謂音を割る手法とも全く異なる)のは、理由や根拠はどうあれ、耳障りで興を殺ぐ。
 アンコールの序曲は、好演だった。

 まあ、いろいろあるけれども、新常任指揮者登場の披露公演としては、とりあえず成功を収めたであろう――と思いきや、カーテンコールでの異様な光景には驚かされた。
 コンサートマスター(石田)は、指揮者との握手との際にその都度途中から顔をそむけ、また普通の場合なら欠かさない「指揮者を讃える」ジェスチュアをも、最後までついに一度も行なわなかったのである。
 ウラの事情に関知する立場ではないし、知ろうとも思わないし、どちらの肩を持つわけでもないが、しかしこんなことで神奈川フィル、今後大丈夫なのか?

 歯に衣着せずに言えば、神奈川フィルの現在の演奏水準は、必ずしも芳しくない。東京のオーケストラ8球団の、最下位の球団よりも更に2ゲームほど離れた位置に低迷しているのが、残念ながら今の神奈川フィルなのだ。よほど引き締めてやってもらわないといけない。

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