2019-05

2・21(土)飯森範親と東京交響楽団のマーラー「7番」他

   サントリーホール

 シューベルトの「イタリア風序曲第2番」に始まり、岡田博美のソロによるリストの「死の舞踏」、そしてマーラーの「第7交響曲」と続く。

 後2者の組み合わせは、特にマーラーの作品の側から見て、意外に面白い共通性を感じさせるのではなかろうか。この「7番」の最初の4つの楽章におけるミステリアスな、怪奇な性格をもった楽想への導入としても、「死の舞踏」は本来の劇的な性格以上の怪奇性を示していた。

 ではあったが――演奏の出来は、残念ながら今ひとつ。
 リストとマーラーでの、弦の響きの軽さ、音量の小ささは、一体どうしたことか。マーラーでは、金管は充分に鳴ったが、全合奏での最強奏の時に16型の弦が全然聞こえないのだ(聴いた席は2階正面)。
 もともと東響の弦は柔らかい響きに特色があり、またそれが魅力的なのだが、こういう曲の場合には金管とのバランスも考慮する要があるだろう。

 飯森の指揮も、今回は不思議なほど全曲の見通しが明快なものに感じられず、特に両端楽章では音楽が散漫な印象を生じさせた。フィナーレの最後の頂点にしても、弦が鳴らないところへチューブラー・ベルを強打させるので、響きが混沌雑然としてしまうのである。彼らしくもない。

 やはりこの作品は「怪曲」のたぐいなのかもしれない。大体この交響曲は、だれが振ってもうまく行かないことが多いとまで言われている。
 飯森と東響のマーラーだって、本来はこんなものではなかったはずである。以前の「3番」や「5番」など、胸のすくような快演だったことを思い出す。もっとも、「2番」あたりからちょっと構え過ぎるようになったかという気も。
 コンサートマスターのグレブ・ニキティン、ホルンのジョナサン・ハミルら、東響のおなじみの首席奏者たちは、それなりに責任を果たしていた。

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