2019-09

2・9(月)マレク・ヤノフスキ指揮ベルリン放送響の「運命&未完成」

   サントリーホール

 「運命」「未完成」といえば、何十年か前の日本の演奏会やレコードでの「組み合わせ定番」だ。私も初めて自分でプレイガイドで切符を買って行ったコンサートが、日比谷公会堂での山田和男(一雄)指揮東京フィルによる「三大交響曲演奏会」で――もう1曲は「新世界」だったか。

 それはともかく、久しぶりにドイツの陰翳ある響きのオーケストラで聴くこの2大名曲、なかなかいいものだ。
 特に「未完成」。ヤノフスキ(同響音楽監督・首席指揮者)は、第1楽章をスコアどおりアレグロ・モデラートのテンポでやってくれるので、端正な古典的な要素とロマンティシズムとがほどよく調和し、気持よく聴ける(ここをアンダンテでのんびりやられると、気持よさが限度を超えてしまう)。
 一方「運命」は、ヤノフスキは両端楽章で速いテンポを採り、この曲が持つ強烈なエネルギーの側面を存分に浮かび上がらせる。それはそれでいいのだが、オーケストラが充分に弾き切れない、吹き切れない、という問題もあるようで、細かいところが雑になってしまう欠点も大きいだろう。

 それにこのオーケストラ、木管が最弱音を上手く吹けないのは困ったものだ(今日だけのアクシデントだろうが、「運命」第3楽章後半は総崩れ)が、まあ、演奏全体には理屈抜きのいい雰囲気があるし、このようなドイツのローカル色を今なお持ち続ける団体は貴重だから、善しとしましょう。アンコールで演奏したベートーヴェンの「第8交響曲」第2楽章や、シューベルトの「ロザムンデ」間奏曲など、温かくてすばらしい演奏だった。

 2大名曲の間におかれたのは、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第4番」で、人気の若手ラファウ・ブレハッチがソロを弾いた。ポーランド出身の23歳のこの若者には、彼なりのベートーヴェンのイメージがあるだろう。それは清冽で新鮮で、魅力的なものだ。オーケストラの個性とは微妙な食い違いがあるが、それがまた生演奏の面白さである。

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