2021-06

2021・5・13(木)アンドレア・バッティストーニ指揮東京フィル

     サントリーホール  7時

 緊急事態宣言に関連して公開開催されるかどうかぎりぎりまで発表されなかった東京フィルの6月定期(12、13、16日)が予定通り実現の運びになったのは祝着。バッティストーニはもうかなり前に日本に「入って」いたのだから、もし空振りに終ったとしたら何とも残念なことになっていたろう。

 プログラムは、ピアソラの「シンフォニア・ブエノスアイレス」(日本初演)と、プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」の抜粋。コンサートマスターは依田真宣。前者での協演はバンドネオンの小松亮太と北村聡で、彼らのアンコール曲はガルデル~ピアソラ編の「想いの届く日」という小品。

 ともあれ、すこぶる賑やかな演奏会だった。
 ピアソラの作品では、バッティストーニは存分に解放感を噴出させ、東京フィルもここぞとばかり暴れ回る。痛快無類ではあるが、その一方で、何か歯止めの利かない野放図さのようなものを感じて苦笑させられる。これは、作品の所為というよりは、指揮者の所為ではなかったろうか?

 「ロメオとジュリエット」も明るい。今回の曲の配列は劇的な開始部の「モンタギューとキャピュレット家」で始められるものだったが、そこでの演奏からして開放感と「歌」にあふれている。「民衆の踊り」での飛び跳ねるような陽気さも、聴き慣れたプロコフィエフ節とは異質なものだ。やはりイタリア人指揮者だな、と思う。彼に言わせれば、これはもともとイタリアが舞台の話だから、これでいいのだ、ということになるのかもしれないが━━。

 ただ、今日の演奏においての話だが、バッティストーニは、オーケストラの各声部をそれぞれ明晰に響かせることには、あまり興味がないと見える。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | HOME |  »

























Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

ブログ内検索

最近の記事

Category

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」