2021-06

2021・4・22(木)東京・春・音楽祭 ムーティのモーツァルト

       ミューザ川崎シンフォニーホール  7時

 リッカルド・ムーティが東京春祭オーケストラ(コンサートマスター長原幸太)を指揮し、モーツァルトの交響曲「第35番ニ長調《ハフナー》」と「第41番ハ長調《ジュピター》」を演奏。

 昨日までの峻烈で熱狂的なヴェルディの世界から打って変わって、今日は落ち着いたモーツァルトの世界。それも久しぶりに、たっぷりした響きの、宏大なスケール感に溢れたモーツァルトである。何となく懐かしく、幸せな気分にさせられる。こういうモーツァルトも、いいものだ。

 特に「ハフナー」は、第1楽章での光と影が交替し交錯して行く演奏の素晴らしさが感動的だった。各声部の動きも美しく、特に第3楽章では第2ヴァイオリンの細やかな表情も印象に残る。
 ただその一方、少々腑に落ちなかったのは、第2楽章後半のあのオーボエとバスーンとホルンが妙なるハーモニーを奏でる個所(第36小節以降)で、ムーティがむしろ弦の揺らめきの方を浮き出させ、それ以前からの音楽の流れに大きな変化を与えることなく進んで行ったこと。

 「ジュピター」は、冒頭から意外なほど抑制気味だったが、それよりも気になったのは、ムーティの指揮にしては、何か一つ緊密度に不足するように感じられたことである。ただし、第1楽章にせよ第4楽章にせよ、提示部においては「反復の部分」での方が、あるいは提示部よりも再現部での方が、いずれも演奏の緻密度が高まり、音楽のスケール感も増大して立派になって行ったところからみると、今日はオーケストラが未だ充分にこなれていなかったのかもしれない。明日の紀尾井ホール公演では、オーケストラがもっとモーツァルトに慣れて、バランスの取れた演奏になるのかもしれない。

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