2021-06

2021・4・15(木)荘村清志 ギター協奏曲の夕べ

      サントリーホール  7時

 昨年3月に予定されていながらコロナ禍のため延期されていた荘村清志の演奏会が、やっと開催された。
 大友直人の指揮する東京フィルハーモニー交響楽団が出演し、最初にモーツァルトの「皇帝ティートの慈悲」序曲が演奏されたあとに荘村清志が登場、ロドリーゴの「ある貴紳のための幻想曲」と「アランフェス協奏曲」、cobaの「Tokyo~ギターとオーケストラのための協奏曲」(荘村の委嘱作)を演奏した。

 ロドリーゴの2曲は、ぐっと落ち着いた、風格に溢れた演奏で、スペインの郷愁と情緒というよりは沈潜した美しいモノローグといった雰囲気の世界を感じさせたのが興味深い。
 委嘱作品では、作曲者のcoba(本名は小林靖宏)自らも本職のアコーディオンを引っ提げて登場し協演していたが、彼の出番のパートはごく遠慮がちな範囲にとどまり、専ら主役の荘村に花を持たせた感。オーケストラの編成はかなり大きいので、カデンツァ風の個所以外のところではギターもその渦の中に埋もれる傾向もあったが、全体に躍動的な曲想で、cobaのこのような大規模な作品を初めて聴いた私としては、これも大いに興味深かった次第である。

 なおアンコールとして、同じくcobaの「Happy Pop Songs」の第3曲が、2人のデュオで演奏された。

 今日は彼の演奏にも、ステージ上での彼の挙止にも、荘村さんのあたたかい人柄がいっぱいに拡がっていたという雰囲気であった。私も彼とはほぼ40年にわたる知己だが、話していてあんなに楽しい気分にさせてくれる名演奏家は稀だと言っていい。

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