2021-06

2021・4・14(水)METライブビューイング「ヴァルキューレ」

    東劇  5時

 MET本家は休業中とあって、松竹の「METライブビューイング」は、以前の名作をピックアップし、「プレミアム・コレクション」と題して上映している。その一つ、ワーグナーの「ヴァルキューレ」を観に行く。

 これは2011年5月14日に上演された、あのロベール・ルパージュ演出とカール・フィリオンの美術による、とてつもない舞台装置として話題になったMETの新しいプロダクションであった。
 演奏陣は、ジェイムズ・レヴァイン指揮のメトロポリタン・オーケストラ、ブリン・ターフェル(ヴォータン)、デボラ・ヴォイト(ブリュンヒルデ)、ヨナス・カウフマン(ジークムント)、エヴァ=マリア・ヴェストブルック(ジークリンデ)、ハンス=ペーター・ケーニヒ(フンディング)、ステファニー・ブライズ(フリッカ)他。
 なおオープニングの個所で、デボラ・ヴォイトとブリン・ターフェルによる日本の観客向けの挨拶が挿入されていたのは、ちょっとしたサービスというか、ご愛敬というか。

 本編の印象については、以前のビューイング(→2011年6月14日)に観たものと全く同じなので省略するが、更に改めて感じたのは、故レヴァインのオペラ指揮が如何に巧かったかということである。
 とりわけ、いくつかの起伏を繰り返しつつ音楽を頂点に持って行くあたりの呼吸は、やはり見事なものだった。第1幕の幕切れでの愛の昂揚、第2幕終場の悲劇の場面など、息もつかせぬ畳み込みである。彼はやはり、卓越した才能を備えたオペラ指揮者だった。
 彼のそのかけがえのない才能と実績そのものは、METを追われる因となった過去のスキャンダルの件などとは切り離して、高く評価されるべきであろう。

 また今回はCMや上演予告などを含め、10年前の上映映像が━━ただし第2幕幕開きシーンとヴォイトのインタヴューの一部はどうやら差し替えたと思われる━━再使用されていたが、あの頃のMETは華やかだったな、という懐かしい思いがこみ上げる。あのような日々が蘇るのは、いつのことになるだろうか?

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