2021-06

2021・4・11(日)東京・春・音楽祭 モーツァルト「レクイエム」

     東京文化会館大ホール  3時

 シュテファン・ショルテスの指揮する東京都交響楽団が、シューベルトの「交響曲第4番《悲劇的》」と、モーツァルトの「レクイエム」を演奏。後者では東京オペラシンガーズ、天羽明惠(S)、金子美香(Ms)、西村悟(T)、大西宇宙(Br)が協演した。コンサートマスターは矢部達哉。

 あまり話題にならなかったが、ショルテスもよく来日できたものだ。
 ハンガリー出身の彼の指揮を、私は2010年6月10日にエッセンでの「ラインの黄金」で初めて聴き、その切れのいいリズム処理と快速テンポに惚れ込んでしまった。その後も同じエッセンでの「トリスタンとイゾルデ」(→2013年5月25日)、あるいは来日しての「サロメ」(→2011年2月22日23日)や、ロッシーニ演奏会(→2011年2月6日)、「ばらの騎士」(→2015年6月2日)などを聴いたが、どれも胸のすくような演奏だった。それゆえ今回も、彼の指揮を楽しみにしていたわけである。

 ただそのわりに今日は、シューベルトの「4番」はあまり歯切れのいい演奏ではなく、しかも活気のある演奏というほどでもなく、ショルテスの芸風も最近は変わってしまったのかと訝しんだほどだ。
 だが幸いなことに「レクイエム」の方はあまり重くならず、といって過度にテンポも速くならず、適度な明晰さを保った、程々に割り切った演奏になっていたと言えようか。

 もっとも、敢えて言わせてもらえば、やはり今日の2曲のような陰翳の濃い作品は、あまりショルテスに向いていなかったのではないか、という気もするのだが。この次の機会には、もっと劇的な曲を指揮してもらう方がいいかもしれない━━。

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東京春祭 4月11日同時刻の裏番組

東京春祭は、しばしば同日同時刻に複数公演を行う。4月11日もその一例。いずれも1回限りの公演となると、究極の選択を迫られる。来年以降の公演で「時間をずらす」という選択肢も検討して欲しい。

私は同時刻開始の裏番組「ベンジャミン・ブリテンの世界 番外編」をたいへん興味深く聴いた。こちらは、2020年に上演されるはずだったオペラ「ノアの洪水」のレクチャーを交えたコンサート。
ブリテンの音楽の多様な面に触れることができ、また、今後、全曲上演されるはずの「ノアの洪水」に対する期待が膨らんだ。
企画構成/ピアノ/お話担当(さらに指揮も担当)の加藤昌則さんの話は堅苦しくない雰囲気ながら、たいへんよく準備された学びのある内容。出演者とのやりとりも適宜織り込まれ、たいへん楽しいひととき。
メゾ・ソプラノ、バリトンの歌唱、弦楽五重奏の演奏に加え、ティンパニ、リコーダー、パイプオルガンなど、普段はハイライトされる機会が少ない楽器が登場・フィーチャーされる贅沢な2時間であった。
同じスタイルの公演をまた、体験したい。

2022年はぜひ「ノアの洪水」全曲を聴きたいと感じた公演。
東京藝術大学奏楽堂(大学構内)は初めて来たが、今後も東京春祭の主要会場の一つとして良い公演の機会を期待する。初めて来てパイプオルガンの音を聴くことができたのは幸運。

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