2021-06

2021・4・7(水)東京文化会館バースデーコンサート

      東京文化会館大ホール  7時

 60年前の1961年4月、東京文化会館が開館し、その7日に関係者や報道陣を招いての落成記念式典が行われ、ウィルヘルム・シュヒター指揮のNHK交響楽団がベートーヴェンの「エグモント」序曲とバッハの「管弦楽組曲第3番」を演奏した。そして同日夜には一般都民向けの落成披露演奏会が行われ、金子登指揮東京藝術大学音楽部管弦楽部がドヴォルジャークの「新世界交響曲」などを演奏した。

 私はもちろん当時は小童で、そんな所へ入れるような身分ではなかったから、現場にいたわけではない。ただしその1か月後、初来日のバーンスタインとニューヨーク・フィルの「春の祭典」他のコンサートを、一番安い500円のチケット(5階席2列目)を買って聴きに行ったことはあったが━━。

 その東京文化会館が、今日めでたく還暦を迎えたというわけだ。建物の内部も外部も、もちろんホールそのものの雰囲気も光景も、あの頃と比べても鮮度を全く失っていないのは立派なことである。
 今日は私もしばしホワイエや客席を眺めつつ、当時初めてこのホールに足を踏み入れた時の感動を思い出していた。それまでのメインの音楽会場だった日比谷公会堂に対し、この東京文化会館大ホールが如何に宏大で美しい、夢のような世界に感じられたか。それは実に、筆舌に尽くし難いものがあったのである。

 今日はそのバースデーコンサートというわけで、佐渡裕の指揮する東京都交響楽団と、メゾソプラノの藤村実穂子が出演、ワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲と、「ヴェーゼンドンクの5つの歌」、ドヴォルジャークの「新世界交響曲」を演奏した。なおアンコールとして、バーンスタインの「ディヴェルティメント」からの「ワルツ」と、ストラヴィンスキーの「グリーティング・プレリュード」が付け加えられた。
 コンサートマスターは四方恭子。

 「マイスタージンガー」前奏曲は、こういう祝典的な場には、まさに打ってつけの曲だ。佐渡は彼らしく都響をフルに鳴らし、大見得切った演奏に仕立て上げた。
 「ヴェーゼンドンク歌曲集」では藤村実穂子の深々とした歌唱が流石の境地を感じさせたが、指揮者とオーケストラとがあんなあっさりした演奏でなく、もっと深みのある音楽でサポートしていれば、いっそうこの曲に相応しい官能的な世界が創り出されていたろうに、と思う。

 「新世界交響曲」の演奏は、力感はあったものの、詩情に乏しい。

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