2021-06

2021・4・3(土)東京・春・音楽祭 ブラームスの室内楽Ⅷ

      東京文化会館小ホール  7時

 加藤知子と矢部達哉(vn)、川本嘉子と横溝耕一(va)、向山佳絵子(vc)が演奏するブラームスで、「弦楽五重奏曲第1番」と「クラリネット五重奏曲」(ヴィオラ版)の2曲からなるプログラム。

 名手たちが集まった「合奏」だから、かりに弦楽四重奏のパートだけ聴いても、長年組んだ常設の四重奏団によるそれとは違って、完璧な緊密性を望むのは無理だろう。だが演奏のさなかに時々「ミューズの神が舞い降りて」(誰かのセリフだ)、美しく溶け合った陶酔的な世界が出現することがある。休憩後に演奏された「クラリネット五重奏曲ヴィオラ版」では、第1楽章の後半や第2楽章のある個所にそういう瞬間が聴かれた。

 ただ、前半の「弦楽五重奏曲第1番」の演奏には少々腑に落ちぬところが多く、第1ヴァイオリン(加藤知子)がもう少し強く自己を主張してもよかったのではないか、と感じられるフシがあった。旋律線が浮き出さず、しかも5人の各パートが混然とし過ぎて、この曲の精緻な声部の交錯が判然とせず、全く別の曲のように聞こえるところが多かったのである。
 第2部での「クラリネット五重奏曲ヴィオラ版」では、そういう問題はすべて解決されていたが。

 客席は市松模様だったが、その範囲内ではよく埋まっていただろう。さすが人気の奏者たちによる演奏会だけある。

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