2021-06

2021・3・28(日)高関健指揮富士山静岡交響楽団

      静岡市清水文化会館マリナート  2時

 厳密にいえば「富士山」の入った楽団名は4月からのものなのだが、オーケストラはすでにこの名称で今日の印刷物を作成している。ただし英語名はMt.Fuji Philharmonic Orchestraだそうで、そこにShizuokaの文字は無い。

 とにかく、昨年11月に浜松フィルハーモニー管弦楽団と「合体」(事実上の吸収?)し、4月の楽団名変更と同時に高関健氏を初代首席指揮者に迎えるという体制で、この楽団も今や意気天を衝く勢いである。新シーズン(4月~2022年2月)における定期公演は8回(うち3回は浜松公演も加わる)、特別演奏会は7回(1回は浜松公演も)というから、活動も本格的だ。
 コンサートマスターは藤原浜雄。メンバーは当面フリー中心との話だが、追々体制も強化されて行くことだろう。

 今日はその高関健の指揮で、清水銀行の提供による「名曲コンサート」である。プログラムは、モーツァルトの「パリ交響曲」、テレマンの「トランペット協奏曲ニ長調」(ソリストは守岡未央)、ベートーヴェンの「第7交響曲」。

 高関は一昨日シティ・フィルの定期を指揮したばかりだし、こちら静岡響とは練習時間も充分でなかったはずだが、オーケストラの演奏に溢れる壮烈な勢いがそれを補っていた。 「パリ交響曲」での演奏など、昂揚感においてはこちらの方が勝っていたかとさえ思われる。
 そしてなお高関は、「パリ交響曲」の第2楽章の美しい「第2稿」をアンコールとして最後に演奏するというサービスを、ここ清水では披露していた(これはシティ・フィル定期でもやってもらいたかったアイディアだが、あのショスタコーヴィチの「8番」で燃焼したあとでは、さすがに無理だったのであろう)。

 次のテレマンの「トランペット協奏曲」では、この楽団のメンバーでもある守岡未央が手堅い、しかし鮮やかなソロを聴かせて聴衆を沸かせた。アンコールとして吹いた「メサイア」の一節もなかなかいい。━━ただ、余計なことで失礼ながら、演奏が上手いから敢えて言うのだが、衣装はもう少し「クラシックの演奏会」っぽい(?)雰囲気のものにした方がよろしいのでは?

 ベートーヴェンの「7番」は、仁王の如く逞しい、力感たっぷりの熱演だ。第1楽章の結尾など、これほど力のこもった終結を日本のオーケストラから聴いたのは初めてかもしれない。全ての反復を忠実に行い、速いテンポと骨太な響きで轟然と押す。その熱気はいい。ただし細部の仕上げは必ずしも丁寧とは言えなかったが、これはマエストロにとっては二の次の問題だったのかもしれない。
 ひとつ難点を言えば、第4楽章で━━1階18列ほぼ中央の席で聴いた限りでだが━━12型編成の弦楽器群が、強大な音を響かせる管楽器群に打ち消され、旋律的な要素を失わせた個所が多かったことは、些か疑問を抱かせられた所以である。

 前述の「パリ交響曲」第2楽章によるアンコールを含め、3時50分頃終演。
 危惧された「春の嵐」は幸いに来ず、小雨がぱらつきながらも天気が「もった」ことは祝着だ。このホールは、屋根付きの回廊が清水駅まで繋がっているので、余程の嵐がすぐ傍の駿河湾から吹き付けたりしない限り、傘をさして歩く必要はない。普段ならすぐ目の前に本物の富士山の堂々たる姿を拝めるところなのだが、今日は厚い雲に覆われて何も見えなかったのが残念。

コメント

「衣装」「格好」は‥

 上記の「衣装」についてはTwitterで拝見したのですが、チェンバロの色合いなどともマッチし、個人的には、よろしいと思うのですが‥。
 むしろ、こうした「格好」などを考える時、私などは某オケの、コンマスのことを思い出してしまうのですが‥。私個人としては、何より彼の音楽は評価しているし、「格好(主に髪型)」のことは二の次に考えてはいますが、知人などは「あの人、もうちょい大人にならへんのかな~。」のように言っているし、彼の「格好」が若い人や初心者を引き付ける一方、敬遠してしまう好事家の方々も結構いるはずで、相対的に、所属オケにプラスになっているのか‥微妙なところだと思います。
 一方、吹奏楽のジャンルでは、一部に、もっと強烈な「格好」の人もいて、そのまま、小中高、大学など学生の吹奏楽で指導する人もいるようです。
 知人のお子さんが、かつてメディアなどでも有名だった学校の吹奏楽部に入ったが、指導者の様相にびっくりし、音楽も、かつての精彩もないレベルで、早々に退部し、卒業まで悶々とすごした、という例も聞いています。こうした状況を当該関係者がどう把握し、どう考えているのか‥今後の音楽界を考えると、結構、大きな問題のように思います。(無論、入学前に知人、お子さん、もっと調べる必要もあったでしょうが。)

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