2021-06

2021・3・27(土)井上道義指揮東京交響楽団

    サントリーホール  6時

 新日本フィルの演奏会の2時間後、東京交響楽団の定期では、井上道義の客演指揮により、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第4番」と、ショスタコーヴィチの「交響曲第6番」が演奏されたが、これまたすこぶるエキサイティングな演奏であった。コンサートマスターはグレブ・ニキティン。

 ピアノ協奏曲のソリストには、当初予定されていたネルソン・ゲルナーの来日中止を受け、北村朋幹が登場。「4番」冒頭のソロを「テンペスト」ばりのアルペッジョで開始するという凝った手法で開始(これ、誰だったかが昔やっていた手だが)、カデンツァも含めて極めて個性的な、挑戦的な演奏を披露してくれたのが面白い。
 彼は、わが国の若手ピアニストの中でもユニークな個性の持主だ。外国人奏者が来日できなかったためにこういう日本の若手に活躍の場が与えられたことはかえって幸いだったであろう。綺麗な澄んだ音色が印象的だが、アンコールで弾いたシューマンの「春の歌」も、実に澄み切った表情だった。

 後半は、井上が得意とするショスタコーヴィチ。この「第6交響曲」も、甚だ強烈な演奏だ。昨夜の高関とシティ・フィルによる「8番」といい、今日のこれといい、2夜続けてこんなダイナミックなショスタコの交響曲を聴けるとは、東京の音楽界も凄いものだと言わねばなるまい。
 抑制された曲想の裡に緊迫感が充分に保たれていた第1楽章、慌ただしい動きの中で弦楽器群が美しい音を垣間見せた第2楽章。そして第3楽章は、細部も定かならざるほどのティンパニの大暴れの強奏の裡に、熱狂と狂乱とで幕を閉じた。

 井上道義の指揮も実に鮮やかだったが、オーケストラも好調だったため、演奏が目覚ましい盛り上がりを示したのも当然であろう。しかし━━考えてみれば、井上も確か今年で75歳になるはずでは? あの躍るような指揮の暴れっぷりたるや、驚くべき体力ではある。
 客の入りがいい。

コメント

井上さんの6番聞きたかった。2.3楽章を特に。諧謔でおもろい指揮だったろう。

京都公演

東京交響楽団の京都公演が、4月24日と25日に、ロームシアター京都であります。24日は、「椿姫」スペシャルハイライト。25日は、ベートーヴェン.コンチェルトの夕べ。有料ライヴ配信もあるそうです。いつも、ライヴ配信を拝聴しているのですが、会場で拝聴するのは初めてですので、とても楽しみです。

弦楽器の編成

ベートーヴェンの協奏曲では対向配置、後半のショスタコーヴィッチは、通常配置で弦楽器を中心とした聴き応えのある演奏だったと思います。ヴィオラは、前半は下手から後半は上手から入っていました。私もはしごしたのですが、新日本フィルさんは古くて新しいベートーヴェンの響き、東京交響楽団さんは現代的で新しい響きという非常に興味深い一日でした。

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