2021-06

2021・3・20(土)鈴木優人指揮東京都交響楽団

    サントリーホール  2時

 つい先日、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した鈴木優人━━今やまさに破竹の進撃といった感だが、今回は都響に客演。指揮したのは、ラヴェルの「マ・メール・ロワ」組曲にプーランクの「ピアノ協奏曲」(ソリストは阪田知樹)、ラヴェル編曲によるムソルグスキーの「展覧会の絵」という、統一の取れたプログラムだった。

 彼のフランス近代ものを聴くのは、メシアンの「トゥーランガリラ交響曲」(→2015年11月1日)と「峡谷から星たちへ」(→2020年10月6日)に次いで、多分これが3度目だ。
 こちらが勝手に予想していたよりは端整なアプローチで、「マ・メール・ロワ」など、もう少し優美で官能的な色彩感があってもいいように感じられたのだが、こういう「のめり込まない」ラヴェル解釈が彼の持ち味なのかもしれない。ただ、今回は彼と都響との相性がある種の作用を生んでいたのかもしれないし、早計な判断は慎もう。

 だが、「展覧会の絵」のように明らかな標題性を持ち、それもかなりこれ見よがしの色彩感を満載した音楽の場合には、やはりそれに相応しい、劇的な描写をも折り込んだ演奏でないと、この曲の面白さは味わい難いのではないか。
 冒頭のソロ・トランペットがいつになく演歌調の音色で━━まるで園まりの「夢は夜ひらく」のイントロのような━━演奏を開始した時には、これは何か途方もない試みをやる気かなとびっくりしたが、それも忽ちシリアスなスタイルに納まってしまった。
 都響(コンサートマスターは山本友重)が弦16型編成で轟かせた音響が久しぶりの威力を感じさせたのは確かだったが。

 プーランクの協奏曲では、阪田知樹がちょっと洒落た音色と表情でソロを弾き始めたのはよかったが、あまり洒落た表情でない指揮とオーケストラの音に消され気味になり、この曲のウィットが充分に感じられない結果となったのは惜しい。阪田がアンコールで弾いたプーランクの「トッカータ」の方が自由な感興があって、面白かった。

 終演後、高崎行きの新幹線に乗るために、東京駅へ向かう。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | HOME |  »

























Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

ブログ内検索

最近の記事

Category

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」