2021-03

2021・2・20(土)「オルガンと朗読で聴く『幻想交響曲』」

      ミューザ川崎シンフォニーホール  2時

 企画の面白さに惹かれて聴きに行ってみた。同ホールアドバイザーの松居直美の企画による「言葉は音楽、音楽は言葉」シリーズの第3輯で、オルガンの演奏が大木麻里、打楽器を森山拓哉、脚本が島崇、演出が島崇と児玉絵梨奈、語りが山科圭太。
 こういう企画に今でも興味を惹かれるのは、昔、音楽番組のディレクターをやっていた所為かもしれない。

 冒頭に、「幻想交響曲」作曲に至るまでのベルリオーズの生涯のストーリー、ハリエット・スミスソンとの出会いなどについて、物語的朗読と解説調の中間のようなスタイルの、ゆっくりした口調のナレーションが30分。この構成は、いわゆる「頭(アタマ、番組冒頭を指す隠語)が重い」というやつで、あまり推奨できる手法ではない。以降は楽章の合間ごとに1~2分の語りが入ったはずである。

 それらはまあ別としても、肝心かなめの音楽には些か問題がある。たとえオルガン編曲であっても、今日のテーマに基づけば、標題音楽としての表現は演奏に堅持されなければならない。主人公の感情の起伏に応じ、テンポなどももっと変化しなくてはいけないし、また例えば第2楽章「舞踏会」でも、恋人の姿がワルツに乗って人々の集団の中から現れ、また集団の中へ消えて行くさまが上手く演奏されなければならない。━━どうも今日の演奏、少なくとも最初の二つの楽章においては、そういった標題性にほとんど注意が払われず、専ら譜面だけに頼って奏されていたような気がしてならなかったのである。

コメント

プレトークは背景、逸話などためになることもありましたが、最も聴きたかったのは、オルガンへの編曲についてのことで、配布冊子にもその辺が書いてないのが残念でした。
 興味深い機会で、セリフも多かった朗読もふくめて楽しめたのですが、素人判断で違ったら申し訳ありませんが、原曲自体が複雑で音符も多いので、4楽章などを中心に音を結構、間引いて、それでもかなり難解、複雑だったと思います。また、ピアノと違って鍵盤を強弱をつけて叩いても、表現への反映が難しいなどの楽器の特性上、テンポの緩急は結構つけていましたが、それ以上の表現は、本来的に楽曲として難しいように思いました。これが、例えば、ブルックナーとかフランクの交響曲だったらもう少し‥とも思います。
 以前、ここで高校生の合唱部がこのオルガンを伴奏で使って、がちゃがちゃになってしまったというエピソードも話に聞いていますが、一般的にオケとオルガンの共演の曲は、CDだとオルガンが有効に聞こえづらいものも一部にあるなど、荘厳さ、壮大さなど、多様で他の楽器にはない素晴らしさが
ある一方で、様々な難しさも伴う‥そんなオルガンの特性をいろいろと考えました。

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