2021-06

2021・1・30(土)広上淳一指揮新日本フィルハーモニー交響楽団

      サントリーホール  2時

 朝のうちに大阪から帰京し、午後は広上淳一と新日本フィルのコンビを、久しぶりに聴きに行く。
 スメタナの「売られた花嫁」序曲、パガニーニの「ヴァイオリン協奏曲第1番」(ソリストは吉村妃鞠)、ドヴォルジャークの「交響曲第8番」が演奏された。コンサートマスターは西江辰郎。

 序曲での演奏が、広上の指揮とは思えぬほど響きが硬く粗く、すべての楽器が団子状態になってしまって、強奏個所では内声部の動きさえ定かでなくなるような状態だったのには唖然とさせられた。オーケストラ・ビルダーとしても近年実績のある広上でさえ手の付けられないほど新日本フィルはこんなに荒れてしまっているのか、と、いたたまれぬような思いになったのは事実である。

 だが幸いなことに、コンチェルトを過ぎた後、「第8交響曲」の第1楽章後半あたりから弦がふくよかな音で鳴り出し、管とのバランスを回復したのをきっかけに、みるみる音が変わりはじめた。
 第2楽章からは、まるで別のオーケストラになったかと思われるほどに音色が瑞々しくなり、音楽全体があたたかみを取り戻して行ったのである。第4楽章は立派な演奏で結ばれた。

 こうなると、さっきの序曲や協奏曲での演奏は何だったのか、いやそれより、この演奏会の前までの新日本フィルはどういう活動をしていたのか、と問いたくもなるのだが、私がどうのこうの言ったところで何にもならない。とにかく、さすがは広上、と思い、新日本フィルもやる気になりさえすればまだ大丈夫だ、とも思い、━━終り良ければ総て良し、とばかり、盛大な拍手を送った次第である。

 なお、パガニーニの協奏曲を演奏した吉村妃鞠(ひまり)は、2011年生れの何と9歳の愛くるしい少女だが、すでにグリュミオー国際コンクールをはじめ内外のコンクールを総なめにし、あちこちのオーケストラとの協演のキャリアを積んだ驚くべき才能の持主である。その少女が、パガニーニの超絶技巧のコンチェルトを縦横無尽に弾く。もちろん、その音楽は熟練したおとなのそれとは違うけれども、この勢いでの大成を期待しよう。

コメント

広上さん、最高ですよね❗

新日フィルとの演奏会、上京して聴きたかったですね。今、一番目が離せない指揮者ですからね。
昨年の11月1日のオーチャードホールでのN響とのチャイコフスキーの5番は凄かった❗あの優等生集団のオーケストラが、それこそ髪を振り乱して演奏しきったのを目の当たりにして、会場も燃え上がっていましたからね。
来る2月14日には石川県立音楽堂で、何とオーケストラ・アンサンブル金沢と京都市交響楽団を指揮しに金沢にやって来ます。前半はOEKとシューベルトの5番(の一部)とロザムンデ、後半は京響とチャイコフスキーの4番ですからね。雪の古都金沢が燃え上がる事、必至ですよ❗大雪にうち震えながら、その日を指折り数えて待ちわびております。

前日リハーサルでは

偶々前日リハーサルでドヴォルジャークとスメタナを聞きました。前者は後のコメントで広上氏のデビュー曲と知りましたが、細かい指示もあっていい出来で満足して聞きました。後者は生では初めてでしたが、これほど聞き応えがある曲だったかと見直すほど見事な演奏でした。妃鞠ちゃんは聞けませんでしたが、広上氏、オケとも初競演で神経質になっていたということはないでしょうかね?

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