2021-06

2021・1・21(木)アレクサンドル・メルニコフ・リサイタル

      トッパンホール  7時

 1973年モスクワ生れのアレクサンドル・メルニコフが、1台のチェンバロ、2台のフォルテピアノ、1台のモダン・ピアノを弾き分けるという面白い企画のリサイタル。
 それほど広くないステージに4つの楽器がずらりと並んだ光景は壮観で、開演前にそれを撮影するファンも少なからず見られた。

 メルニコフは、それら4台の楽器を下手側から、
 最初に「ジャーマンタイプチェンバロ ミートケモデル」(以下プログラム冊子記載の表記に従う)でJ・S・バッハの「半音階的幻想曲とフーガ ニ短調BWV903」を演奏、
 続いて「ウィーン式フォルテピアノ ワルターモデル」でC・P・E・バッハの「幻想曲嬰ヘ短調Wq67」およびモーツァルトの「幻想曲ハ短調K.475」を弾き、
 次に「ウィーン式フォルテピアノ ヨハン・ゲオルク・グレーバー(オリジナル)」によりシューベルトの「さすらい人幻想曲ハ長調D760」を、
 そして四番目にモダン・ピアノのスタインウェイでスクリャービンの「幻想曲ロ短調Op.28」およびシュニトケの「即興とフーガ」━━という順に弾く。

 ちなみに事前の予告では、「さすらい人」のあと、休憩を挟んで同じ楽器でメンデルスゾーンの「スコットランド・ソナタ」が演奏されることになっていたが、都の「夜8時以降の外出自粛」要請を受け、公演時間短縮のため、休憩もろともカットされた。この曲が聴けなかったのは残念だったが、もし当初の予定通りに演奏されていたら、終演は9時半近くになっていたかもしれない。

 ともあれこれは、彼の演奏がどうのこうのということより、4つの楽器の音色の違いと、その響きによりそれぞれ異なった様相で立ち現れる作品の綾の面白さを堪能させられたということで、実に刺激的な演奏会ではあった。
 最後のモダン・ピアノのための作品としてスクリャービンとシュニトケを選んだところも、如何にもメルニコフらしい。そのスタインウェイでの、恐るべき威嚇的な音量と表現力で、聴き手を戦慄に追い込んで幕━━とするのも劇的な手法だったと思うが、それでは後味が悪いと見たかメルニコフ、アンコールにワルター・モデルでモーツァルトの「幻想曲ニ短調」を未完の形で弾き、お開きとした。

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