2021-06

2021・1・14(木)セバスティン・ヴァイグレ指揮読売日本交響楽団

      サントリーホール  7時

 第1部に登場した人気沸騰の若手ピアニスト、藤田真央はラフマニノフの「第3協奏曲」を弾いたが、これがまた実にいい演奏だった。
 清廉な音色のピアノが美しく、骨太という感でもないのに俊敏な力を備えている。そして、特に力を入れて叩いているわけでもないのに、そのソロは、分厚いオーケストラの強奏を突き抜けて響いて来る(オケに埋没してしまうピアニストも少なくないのだ)。ラフマニノフ特有の陰翳には不足するとはいえ、躍動感にも推進性にも充分なものがある。こういう瑞々しい、清新な、透明なラフマニノフ像も、魅力だろう。

 ヴァイグレと読響も、この華麗なコンチェルトを柔軟に紡ぎ上げ、ソリストを巧みに盛り立てた。このヴァイグレという人、これまであまり意識していなかったが、コンチェルトのサポートが意外に上手いのかもしれない━━先日のブルッフと言い、今日のラフマニノフと言い。

 後半はチャイコフスキーの「第4交響曲」。こちらはしかし、ダイナミックではあったものの、些か殺風景な演奏だ。
 こういう乾いた演奏は、ヴァイグレの癖でもある。バイロイトやウィーンでいくつか聴いた彼のオペラの指揮は、大体このような、味も素っ気もない演奏が多かった。先日の「新世界」とは作品の性格が違うせいもあるが、この「4番」では彼の癖も露呈したようである。たとえば第2楽章の中間部など、何かエネルギッシュで、あれでは作曲者が述べている「疲れた人間が真夜中に物思いに耽る」というイメージとは程遠いだろう。

 なお、「新世界」でもそうだったが、今日もオーボエ奏者の演奏がどうも腑に落ちない。ファゴットもかなり癖のある吹き方をするな、と思ったのだが・・・・。
 読響、今日は弦14型編成。コンサートマスターは長原幸太。

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