2021-06

2020・12・16(水)原田慶太楼指揮東京交響楽団

      ミューザ川崎シンフォニーホール  7時

 来年4月より正指揮者に就任する原田慶太楼が指揮、藤倉大の「海」、ブリテンの「4つの海の間奏曲」、ニールセンの序曲「ヘリオス」、エルガーの「エニグマ変奏曲」を演奏した。

 プログラムが少し渋いせいなのか、お客の入りがあまりよくなかったのは残念だが、若手指揮者にこのような多彩で意欲的な曲目を振らせる機会を与える東響の姿勢は立派である。
 誰かも言っていたが、コロナ禍のため外国人指揮者が来日不可能となっている間隙を衝いてせっかく各楽団が日本の若手指揮者を登用しても、振らせるプログラムが概して古典のありふれた名曲ばかりでは、彼らの個性を発揮できる可能性を狭めているようなものだから━━。

 さて、原田慶太楼は、弦14型編成の東響(コンサートマスターは客演の小林壱成)を存分に鳴らし、特に前半の2曲では、例の如く元気いっぱいの演奏を披露して気を吐く。ちょっと乱暴なところもないではないが、若いのだからそれも結構というべきだろう。

 第2部でのニールセンとエルガーの作品では、原田は一転して、東響からしっとりとした響きを引き出した。私の印象から言えば、今日は圧倒的にこの第2部の演奏の方が成功していただろう。ここではオーケストラの響きのバランスも整っていて、瑞々しい叙情的な美しさも表出されていたのである。

 このところ何度か聴いて来た彼の指揮は、大体がエネルギー放出感満載のものだったが、この2曲にいたって、漸く均衡の重視された、落ち着いた美感といったものを聴くことができたわけだ。こういう精妙な構築の音楽もつくれる指揮者なのだ、ということがはっきりと判ったのはうれしい。
 特に傑出していたのは「エニグマ変奏曲」で、変奏それぞれの性格づけも明快だったし、クライマックスへの盛り上げ方も上手かった。

コメント

オンライン生配信

オンラインで拝聴しました。レアな曲ばかりで、楽しめました。とりわけ、エルガーの「エニグマ変奏曲」が印象的で良かったです。こういうレアな曲を選曲して、若い世代の指揮者に託す東響さんの姿勢は素晴らしいと思います。いつか、関西公演があれば、是非とも拝聴したいです。

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