2021-06

2020・12・11(金)ゲルハルト・オピッツ・リサイタル

      東京オペラシティ コンサートホール  7時

 ゲルハルト・オピッツ、この状況の中でよく来てくれたものだ。まあ、彼は日本にも家があるから、不思議はないかもしれない。
 今回はリサイタルとコンチェルトの、いくつかの公演が予定に組み込まれている。今日はベートーヴェンの最後の3つのピアノ・ソナタ(作品109、110、111)に「6つのバガテル 作品126」を組み合わせたリサイタル。

 「第30番作品109」が始まった時、ああ、久しぶりに聴くドイツのベテラン・ピアニストの演奏だな、という、不思議に懐かしい思いがこみ上げる。骨太でまろやかな響き、飾り気のない素朴なピアノの音。高音域を抑制したような音色を持った落ち着きのある弱音。

 ただ、以前にはいかにも「ドイツ人!」という雰囲気満載の演奏を聴かせてくれたオピッツだったが、今回、久しぶりに聴いた彼には、何となく枯れた味が漂っている。未だそんな齢ではない(70歳直前)はずだから、枯れるには早すぎるだろう。それとも、本調子でなかったのか? 演奏に何処か求心力が不足しているように感じられたのである。

 2曲目の「第31番作品110」の後半に至って次第に気魄を強めて来てはいたものの、最後のあの巨大な気宇を備えた「第32番作品111」でも、彼ほどの人にしては、意外に緊迫力が希薄な演奏だったような・・・・。

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