2021-06

2020・12・7(月)愛知室内オーケストラ東京公演

      浜離宮朝日ホール  7時

 このオーケストラを聴いたのは、私はこれが初めて。
 公演のプログラム冊子には「2002年に愛知県立芸術大学出身の若手演奏家を中心として発足、現在は・・・・愛知県ほか東海地方で活躍するプロの演奏家で構成されている」とある。2015年から新田ユリが常任指揮者を務め(今年末まで)、2016年度名古屋市芸術賞奨励賞を受賞している由。
 スポンサーは「医療法人 葵鐘会」とのことだが、企画面で誰がリーダーシップを執っているのかはあまりよくわからなかった。

 だが、名古屋のしらかわホールをホームグラウンドとしての公演活動はすこぶる活発と聞く。今月26日にはゲルハルト・オピッツを迎えての「ベートーヴェン・ピアノ協奏曲全曲連続演奏会」、1月には坂入健司郎指揮のブルックナーの「第3交響曲」他、2月には下野竜也と川本嘉子客演によるバルトークの「ヴィオラ協奏曲」やドヴォルジャークの「第8交響曲」を演奏する、といったように、大編成の作品も取り上げる室内オーケストラである由。

 今回はしかし、ヴァイオリン4人と管13人による公演だった(何とこの17人のうち、バセットホルンの客員の十亀正司を除く16人が女性だった)。
 曲は前半に弦だけでテレマンの「4つのヴァイオリンための協奏曲ト長調TWV40:201」、加藤昌則の「幻影音描」、バツェヴィチの「4つのヴァイオリンのための四重奏曲」が演奏され、後半には「13管楽器のためのセレナード(グラン・パルティータ)」が演奏された。

 前半の3曲での演奏は、技術的にもしっかりしているし、極めて美しい。だが、綺麗に流すのみで、メリハリに不足するのが惜しい。そしてまた、その3曲がどれも同じ色合いで演奏されてしまい、それぞれの作品の描き分けが行なわれていないのが問題だろう。

 後半の「13管楽器」は━━私は2階席最前列で聴いていたのだが━━妙に音が飽和して、というのか、一種の団子状態というのか、一つの塊となって耳にビリビリ来るのが不思議で首をひねっていたのだが、これはどうやら、例えば全合奏の際、常に全員が同じ音量で吹いているため、ハーモニーに透明さを失わせていたからではなかったのか? 
 つまり、全合奏で演奏している時、その中で浮き出すべき旋律線が全く目立たない。オーボエやクラリネットが主題を吹いている際にも、内声部(ホルン、ファゴットなど)それらと同じ音量で強く吹いているために、主題が全く浮き出して来ないのである。
 何よりの問題は、ここでも各楽章それぞれの異なる性格が全く描き分けられておらず、全曲が単調で単一なイメージになっていたことが致命的だろうと思う。これは(誰か判らないが)リーダーの責任であろう。

 個々の奏者の技術は極めてしっかりしているし、アンサンブルの技術的構築そのものも優れているようだから、しかるべき指揮者の指示に従って合奏をつくって行けば、もっと表情豊かな、多彩な音色の演奏も出来るはずだと思われる。

コメント

来年2月の予定

愛知室内オーケストラは、来年2月28日にベルリン・フィル・メンバー招聘シリーズ第1回として、首席フルート奏者マチュー・デュフォーさんをソリストに迎えるそうです。バッハとモーツァルトのフルート協奏曲の予定だと聞いています。楽しみにしてるのですが、コロナ禍で、実現できるかどうか・・・。

 以前、三重県北勢地方で、このオケの第九を聴いたことがあり、熱意のあるオケと感じていたので、このコンサート、私もお邪魔させていただきました。
 東条先生のご意見に賛成で、いわゆる若いが故の部分もありましたが、潜在的な力や将来性もいろいろ披露することができた東京公演だったのではないでしょうか。モーツァルトの方は少し長い曲でしたが、なかなか楽しむことができました。
 玲子様のご心配のように、デフォー氏のコンサートは残念ながら中止となってしまったようですが、今後のプログラムもいろいろ工夫が感じられ、頑張ってほしい、注目のオケのひとつだと思います。

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