2021-06

2020・11・13(金)尾高忠明指揮大阪フィルハーモニー交響楽団

      フェスティバルホール(大阪) 7時

 グレース・ウィリアムズの「海のスケッチ」と、マーラーの「交響曲第5番」とで構成された11月定期。
 後者は弦16型による演奏で、新型コロナ禍による規制の当今、このような大編成のステージを復活させられるオーケストラは、国内では大阪フィルだけであろう。コンサートマスターは崔文洙。

 「海のスケッチ」は、尾高の愛してやまぬウェールズの自然を描いた組曲風の佳曲だ。彼はこれを、国内ではすでに札響、新日本フィル、九州響、読響と演奏している。私はこれらのうち、読響との演奏しか聴いていないけれども、今日は弦の響きがよりいっそう瑞々しく透明で、しかも厚みのある音を響かせていたためもあろう、尾高のこの曲に対する愛を充分に理解できたような気がする。

 後半のマーラーは、たぐい稀なほどの均衡と瑞々しさを備えた快演である。最近の尾高の音楽が強い信念と力にあふれたものになっていることはすでに触れた通りだが、この「5番」でも、完璧なバランスの裡に熱狂を燃え滾らせた見事な構築の音楽となっていた。充分に情熱的な特徴を持ちながらも、過度な荒々しさと騒々しさに陥らないこのような「マーラーの5番」を聴いたのは、滅多にない経験である。

 大阪フィルに何を求めるかはそれぞれの好みの問題だが、とにかくこのオーケストラをして、朝比奈時代のそれとは全く対極的な、説得力のある性格を示すに至らせた尾高の手腕は、並々ならぬものと言えよう。金管のソロにいくつか不安定な個所があったのを別とすれば、これは大阪フィルの現在の充実ぶりを証明する見事な演奏と言っていいであろう。第3楽章でのホルンは、なかなか強力であった。

コメント

素晴らしい演奏でした。

前日(13日)の公演を拝聴しました。マーラー5番は久しぶりに見るフル編成、ステージが広いフェスティバルホールだからできた面もあるのでしょうが、分厚いオケの響きを満喫しました。

このような大曲を演奏するとき、日本のオケはしばしば最後にスタミナ切れを感じさせることがあるのですが、今回はそのようなことの一切ない、最後まで弛緩することのない熱演でした。初日のせいか、管楽器が一部不安定でアンサンブルの乱れも散見されましたが、それも小さなキズだったと言えるでしょう。

今回の関西滞在では、この大フィル定期に加え、びわ湖ホール声楽アンサンブルのマタイ受難曲、そして、広島交響楽団のプレミアム定期というゴージャスな演奏会体験ができ、大満足でした。GO TOの特典も利用させていただきました(笑)。

失礼しました。

東条先生も13日の方をお聴きになったのですね。前日としたのは小生の勘違いです。失礼いたしました。ちなみに今回初めてフェスティバルホールの3階バルコニー席で拝聴しました。オケのすべての楽器が分離よく聴きとれて大変満足でしたが、高所恐怖症の方にはあまりおすすめしません(笑)。

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