2021-06

2020・11・3(火)ヘンデル:「リナルド」セミ・ステージ形式上演

      東京オペラシティ コンサートホール  4時

 「鈴木優人プロデュース/BCJオペラシリーズVol.2」と題された力作プロダクション。
 ステージ奥にバッハ・コレギウム・ジャパンのオーケストラが、中央に指揮の鈴木優人がチェンバロとともに位置する。ステージ前面に簡単な小道具があり、かなり丁寧な照明演出が加わり、登場人物は舞台上演並みの衣装を着けて簡単な演技を行う。イタリア語上演の日本語字幕付き。

 歌手陣は全て日本勢で、藤木大地(十字軍の兵士リナルド)、森麻季(その許嫁アルミレーナ)、久保法之(十字軍の将軍ゴッフレート)、青木洋也(その弟エウスタツィオ)、大西宇宙(エルサレム王アルガンテ)、中江早希(魔女アルミーダ)、波多野睦美(魔法使)、谷口洋介(使者)、松井亜希&澤江衣里(セイレーン)。
 演出が砂川真緒、ドラマトゥルクが菅尾友、照明が稲葉直人、衣装コーディネートが武田園子━━その他の顔ぶれ。

 照明が華麗で、舞台が美しく見える。歌手陣も全員健闘して、なかなかに聴き応えがあった。アルミーダ役の中江早希のコミカルな演技、大西宇宙の張りのある歌唱などが印象に残る。オーケストラもさすがBCJ、堂に入ったものだ。

 だが何といっても鮮やかだったのは、指揮とチェンバロの演奏に獅子奮迅の活躍を示した鈴木優人であったろう。長い全曲を些かも弛緩なく、しかもバランスよく、流れよく構築し、ヘンデルの活気に満ちた音楽の魅力を余すところなく再現していた。チェンバロのソロとオーケストラとがこれほど有機的な関連性を持って密接に流れよく結びつけられた演奏は、そうたびたび聴けるものではないだろう。アルミーダがヤケ酒をあおる場面では、チェンバロで泥酔ぶりを示すような演奏をして見せるようなユーモア感覚もある。
 彼の感性とエネルギーには舌を巻いた。先日の読響とのメシアン(10月6日)といい、今回のヘンデルといい、このところの鈴木優人の躍進ぶり、好調ぶりには刮目すべきものがある。

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