2021-06

2020・10・29(木)大山平一郎指揮関西フィルハーモニー管弦楽団

      ザ・シンフォニーホール(大阪) 7時

 桂冠名誉指揮者・飯守泰次郎と関西フィルの「ブルックナー・ツィクルス」の締め括りとして予定されていた交響曲「0番」と「00番」が━━これは実に奇想天外なプログラムだ━━飯守氏の急性胆嚢炎による入院のため延期となり、大山平一郎がブルックナーの「4番」を指揮するというプログラムに変更となった。なお飯守氏は幸いなことに快方に向かい、2,3日後には退院の予定と聞く。

 大山平一郎がブルックナーを指揮するのを聴いたのは、私は今回が最初である。ロサンゼルス・フィルの首席ヴィオラ奏者だった時代には、ジュリーニらの指揮で何度か弾いたことがあるという話は聞いたが、指揮者となってからはどのくらい手がけているのだろうか。
 今日聴いた限りでは、極めて慎重に几帳面に、スコアのすべての音符を丁寧に演奏することに専念しているように感じられた。

 さすが弦楽奏者出身だけあって、弦を瑞々しく響かせる。関西フィルの弦がこれだけ緻密に響いたのを聴いたのは、私にとっては初めてかもしれない。ただ、弦の編成が小さいために、とかく金管群に打ち消されがちになるのが惜しかったが。
 一方、その金管は実に力感たっぷりに、安定して鳴り響いていた。関西フィルの金管がこれだけ緻密にバランスよく咆哮するのを聴いた機会も、私としてはそう多くはなかっただろう。
 総じて今日の関西フィルは、すこぶる安定していて、良かった。以前に比べ、演奏の技術水準もかなり上がっているように思われる。
 
 だが、肝心なことは・・・・これは指揮者の責任だが、音楽の流れ全体に、もっと有機的な繋がりが欲しいのである。一つのフォルティッシモ、一つのピアニッシモ、一つのクレッシェンド━━それらすべてが一つずつ単独に存在してしまい、単独で完結してしまっている演奏なのだ。これでは、ブルックナーの巨大な山脈の如き音楽を再現することは不可能だろう。特に前半2楽章では、それが痛切に感じられた。
 ただ、第3楽章のスケルツォのクライマックスの個所あたりでは、オーケストラの力感と相まって、流れの構築もうまく行っていたのではないかと思う。

 今日の演奏会は、これ1曲。コンサートマスターは岩谷祐之。

 ザ・シンフォニーホールの新型コロナ感染予防対策は綿密を極めており、それは実に結構なのだが、それに関する場内アナウンスはくどいほど長く、「指示に従わない人には退館を求める」とか、演奏終了後の「規制退場」とかいう表現(そう聞こえた)もあったりして、安全対策への呼びかけというよりは「規制」という姿勢がもろに出ているように感じられて不愉快だ。これほど横柄な、音楽を楽しみに来ている人々を白けさせるようなアナウンスをしているホールは、私の知る限り、ここだけである。昔、NBSが(もしカメラで撮影している人がいたら)そのカメラを「没収いたします」という高飛車なアナウンスを繰り返し、その都度観客を失笑させていた例に次ぐものだろう。

コメント

久々の満席感

飯守さん、快方に向かわれているのですね。良かったです。久々の満席近い配席にもホッとしました。関西フィルさんの実力は確かに向上していますね。ただ、今回は指揮者の方の思い描くブルックナー4番との隔たりを、少し感じました。あと、シンフォニーホールさんのアナウンスですが、私、以前、ホールに改善を申し入れたのですが、相変わらずのアナウンスで、がっかりしています。素晴らしいホールなのですが。

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もっと聴衆を信頼したら

本日、ザシンフォニーホールに大阪交響楽団の公演に行きました。
ホールの前には体温チェックや手指への消毒噴霧を待つ長蛇の列。スタッフの
数も多く、その物々しい様子にびっくり。音楽を聴く前の雰囲気と
してはいかがなものかと思いました。

館内の放送も子供に言って聞かすような内容で、「分かっているよ」
と言いたくなりました。聴衆も警戒感を持って来ているので、もっと
信頼してくれたら良いのに。規制退場?。確かにそんな感じでしたね。
でも、余計なお節介だと思う人も多く、従っている雰囲気はなかった
です。

ザ・シンフォニーホールは朝日放送が運営していた時代から、少し上から目線なところがありました。「ここは最高のホールだ!」という誇りは理解できなくも無いですが、やはりコンサートホールはお客様を楽しませてナンボです。経営母体も変わったことですし、良い伝統は受け継ぎ、悪い伝統は改善して行って欲しいものです。

客の質の問題

東京では聞いたことのない内容なのでさぞアナウンスに驚き不愉快な思いをされたと拝察します。ただ、先生のような良識のある方ばかりが客ではありません。東京の都心の有名ホールは別として、それ以外の市区の運営の箱では、貰い券や地元市区の町内会割引で買った初心者の老人が演歌を聴く感覚で来て、演奏中に雑音や話し声をたてたり、飲料を客席で飲むという行為はたまに見かけます。今は存じませんがかつての大阪はフライングブラボーで有名でした。かたやサントリーホールはアナウンスのおかげで、コロナ流行前には既にフライングブラボーは全くなくなっています。地域の聴衆のマナー違反とクレームの積み重ねが不快なほど細かい注意に結び付いたのではないかと。大衆化が進む世の中で素人聴衆のマナー教育は難しいのでしょうね。こうした人たちのために善良な聴衆まで窮屈な思いをするのが現実です。悪貨が良貨を駆逐することのないことを祈るばかりです。

確かに少々度を越しているかも。

広島交響楽団のコンサートでザ・シンフォニーホールを訪れましたが、入場時の体温チェック、手指消毒の長蛇の列にイラチな関西人(小生もそうですけど)が文句言わずにならんでいるのに少し驚きました(笑)。

それはさておき、コロナ対策に関する約3分のアナウンスが、開演前に(普通のホールでは1回だけだと思うのですが)数回も繰り返され、さらに館内のスタッフ(usher)が、演奏中に退場したら席に戻れないだの、演奏中の注意事項をいろんなところでがなりたてるという状況に、前からこんなんだったっけ、とちょっと驚きました。

コンサートの開演前は、これから奏でられる響きに集中するための準備時間でもあるわけで、そこでの静粛性確保に、世のホールはもう少し配慮すべきではないかとちょっと思います。少し前にそのようなことを丹羽正明さんが指摘されていた(小生の記憶が正しければ、ある著名チェリストはそのような観点から、ステージ上では絶対にチューニングはしない、また、メトロポリタン歌劇場では開演のサインを無音でシャンデリアを昇降させることで行っており、それを真似すべきなどとコメントされていた)かと。

大山/大阪響の定期

大山さんのブルックナーですか。突然のキャンセルだし、....バッハロ短調ミサで氏の指揮で歌いました。10年前の首席時代によく聞きました。
11/19日はベートーベンの1番、これが鮮明にベートーベンの若き力がみなぎった名演でした.ヴァイオリン協奏曲4番の堀米さん、なんという良い曲だろうと思わせる演奏でしたよ。それとメンデルスゾーン「イタリア」軽めのプログラムと思っていたがよく考えられたものだった今回。弦10.8.6.6.編成、
聴衆席は通常に戻していたが6割ぐらいのいりで、おかげでいつも以上によく響いていました。ホールの人の苦労に感謝しています。やはりナマハいい。次回は曽我大介さん、期待する。

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