2021-06

2020・10・8(木)新国立劇場 ブリテン:「夏の夜の夢」

      新国立劇場オペラパレス  6時30分

 2020/2021シーズン開幕公演、デイヴィッド・マクヴィカー演出による新プロダクション「夏の夜の夢」。5回公演のうちの3日目。

 外来アーティストは全て来日不可能となったため、指揮もマーティン・ブラビンスから飯森範親に代わった。
 キャストも全員が日本勢となり、藤木大地(オベロン)、平井香織(ティターニア)、河野鉄平(パック)、大塚博章(シーシアス)、小林由佳(ヒポリタ)、村上公太(ライサンダー)、近藤圭(ディミートリアス)、但馬由香(ハーミア)、大隅智佳子(ヘレナ)、高橋正尚(ボトム)、妻屋秀和(クインス)、岸浪愛学(フルート)、志村文彦(スナッグ)、青地英幸(スナウト)、吉川健一(スターヴリング)という顔ぶれになった。

 それにしてもこの代役歌手陣、みんなよくやった。こういう洒落っ気のある舞台は日本人歌手があまり得意としないところのものだが、今回は視ていて身体がムズムズするなどということは一切なかったのである。
 もっとも、登場人物たちが向き合って細密な演技を見せるという演出は━━コロナ感染防止対策のゆえだろうか━━ほとんど見られず、概して横一線に並んで、しかも客席を向いた姿勢で歌唱や演技を行うという方法だったから、かえってバタ臭い不自然な動作がなくて済んだのかもしれない。以前に観た日本の2つの上演━━ザ・カレッジ・オペラハウス(2008年10月13日)と名古屋二期会(2009年9月6日)━━では、そういう点が気になって仕方なかったものだが、今回はそれを逆手に取って巧く切り抜けたことになる。

 ただそれだけに、なおさら今回も、演劇としての微細な性格表現に関しては物足りぬところが多かったわけだが・・・・。この演出もレア・ハウスマン(演出補)がリモートで行なったとのことである。舞台美術はレイ・スミスで、これはモネ劇場(かつて大野和士がシェフだった)からのものとクレジットされている。

 指揮の飯森範親は、東京フィルハーモニー交響楽団から小編成なりの柔らかく落ち着いた音色を引き出し、このオペラの音楽を極めて美しく再現した。この劇場のオケ・ピットからこのようなカラフルな音色が、しかも明晰に湧き上がって来るのを聴いたことは、これまであまりなかったような気がする。
 TOKYO FM少年合唱団も演技や踊りを交え、ソロを含めてなかなかの好演だった。
 20分の休憩2回を含め、終演はほぼ10時。

コメント

 先生のご感想に同感です。稽古の時間、期間が通常よりもおそらく、かなり少ないと思われる中、各セクションとも、かなりの健闘だったのではないかと思います。個人的な感想としては、特に、ヘレナ役の大隅さんは個々の歌唱としても、また、全体の流れの中での1つのアクセントとなる役柄としても、とても充実していたように思いました。この成果を受け継ぎ、月後半の、川崎市内でのリサイタルも、アットホームな空気の中、素晴らしい内容でした。

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