2021-06

2020・10・2(金)小山実稚恵の「ベートーヴェン、そして・・・」第3回

      Bunkamuraオーチャードホール  3時

 ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ第30番 作品109」とバッハの「ゴルトベルク変奏曲」を組み合わせたプログラム。

 今回は「そして・・・」の曲の方が長いものになっていたが、しかしその「ゴルトベルク変奏曲」での小山さんの演奏が、なんとも魅力に富んでいたのだ。音楽そのものの推進性と緊迫感に加え、あたたかい表情が全体に沁み通っていて、時には微笑みのようなものさえ感じられる。もちろん、演奏を貫く情熱は火のように燃え上がっているものの、あくまでも自然体で、ことさらに何かを仕組んでやろうといった構えのようなものは感じられない。それが作品そのものの良さを再現してくれるのである。

 今回の演奏時間はちょうど1時間、30もの変奏の長い旅のあとに、最初に聴いたあの「アリア」がまた聞こえてくる瞬間は、本当に形容し難い懐かしさの感情に浸されるものだ。この曲の演奏をナマで聴いたのは、実に十何年ぶりのことだが、それだけに感銘も深い。

 もちろん、主テーマたるベートーヴェンのソナタでの演奏もいい。今日はピアノの音色も伸びやかで美しかったし。

コメント

小山さんのゴルトベルクは何年か前に札幌のキタラの小ホールで聴きました。
はじめに小山さんの解説があって、はじめと終わりでアリアの聞こえ方が違うはずだと言われ、そのとおりであったのを懐かしく思い出しました。

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