2021-06

2020・8・22(土)ラ・ルーチェ弦楽八重奏団

     東京文化会館小ホール  2時

 「弦楽八重奏曲を中心に、五重奏以上の編成の室内楽作品をレパートリーとして、2014年から1年に1度の《La Luceシリーズ》を継続」(プログラムによる)という若手のアンサンブル。

 メンバーは大江馨、城戸かれん、小林壱成、毛利文香(以上vn)、有田朋央、田原綾子(以上va)、伊東裕、笹沼樹(以上vc)。
 プログラムは、ブラームスの「弦楽六重奏曲第1番」、ヴォーン・ウィリアムズの「幻想的五重奏曲」、ニールス・ガーデ(ゲーゼ)の「弦楽八重奏曲ヘ長調Op.17」。なおアンコールとして、ピアソラの「オブリヴィオン」(弦楽八重奏版)も演奏された。

 とにかく演奏は若々しくて明るく、勢いがある。メンバーには、内外の各コンクールで優勝あるいは入賞した若手や、内外のオーケストラのメンバーを務めている若手が揃っているから、この活力も当然だろう。暑さとコロナを吹き飛ばすほどのパワーだ。

 この上は、音楽に陰翳、深みといった内省的な要素が欲しい。ブラームスの「弦楽六重奏曲第1番」などその最たるもので、それはこの音楽の持つエネルギー性のみを浮き彫りにするとでもいう確信的な意図(私は同意できないけれど)があったのなら別だが、しかし、━━もっと演奏にブラームス特有の感情の揺れや逡巡、明暗などの要素が表出されていなければ、専ら解放的な力感のみで押す表面的な音楽に終ってしまう。歯に衣着せずに言えば、この六重奏曲の演奏の中には、ブラームスという人の存在がほとんど感じられなかったのである。

 アンサンブルの音色は、トップを弾く奏者によって様々に変わるようだ。毛利がリーダーを務めたブラームスの「六重奏曲」では、音は鋼の如く強靭で硬質だったが、小林がトップで弾いたゲーゼの「八重奏曲」では普通の柔らかさを取り戻し、色彩的な変化をもつくり出していた。

 客席は、密を避けて両側に1席ずつの間隔を取ったソーシャル・ディスタンス方式の着席形式だが、よく入っている。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | HOME |  »

























Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

ブログ内検索

最近の記事

Category

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」