2021-06

2020・8・19(水)読響「三大交響曲」未完成・運命・新世界

       サントリーホール  6時30分

 読売日本交響楽団の夏の名物、「三大交響曲」。前半にシューベルトの「交響曲第7番ロ短調《未完成》」とベートーヴェンの「交響曲第5番ハ短調《運命》」、後半にドヴォルジャークの「交響曲第9番ホ短調《新世界より》」というプログラム。今年の指揮は角田鋼亮、コンサートマスターは長原幸太。

 何か懐かしさを呼ぶプログラムだ。思えば私もクラシックの音楽会に自分でチケットを買って行き始めた頃には、このような「三大交響曲」などの演奏会をよく聴きに行ったものである。それは「運命・未完成・新世界」だったり、どれかが「悲愴」に替ったりしていた。オーケストラはたいてい東響か東フィル。指揮は山田和男(一雄)とか、上田仁とか、森正とか━━。楽しかった。

 当節、コロナ禍のためコンサートの数が減り、大規模なシンフォニーを聴く機会が稀になっている時期ではあるものの、災い転じて福と為す、むしろこのような聴き古した名曲の数々が改めて新鮮に感じられるようになったことを幸せだと思うようにしたい。
 読響は「12型」で演奏していたが、もともと重厚雄大な響きを備えたオーケストラの強みと上手さと、それにホールの響きの良いことなどもあって、この3曲、たっぷりした響きの音楽を楽しませてもらった。細かい部分では少々ゆるいところもあったし、ティンパニも暴れ過ぎのところもあったけれど、演奏全体の量感はいい。

 角田鋼亮も前半の2曲は几帳面な指揮だったが、「運命」の第4楽章へのブリッジ・パッセージのティンパニのクレッシェンドはなかなかの演出だったと言えるのではないか。特に後半の「新世界」では、彼の音楽も生き生きとして自由さを発揮し、音色の変化、内声部の多彩さなど、面白い「新世界」として聴くことができた。

 彼の指揮はこれまでに複数のオーケストラとの演奏で聴いて来て、正直、あまりに真面目過ぎるのではないかという気もしていたのだが、今回の読響との「新世界」では彼の新しい一面を聴かせてもらったように思う。意地悪い見方をすれば、「読響が巧いから」なのかもしれないが、そう言ってしまってはミもフタもない。いずれにせよ、今日の「新世界」を聴いて、この指揮者、もっといろいろ聴いてみたい気がまた湧いて来た。彼は現在セントラル愛知響の常任指揮者であり、大阪フィルと仙台フィルの指揮者をも兼任している若手である。

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