2021-06

2020・8・10(月)フェスタサマーミューザKAWASAKI
東京交響楽団フィナーレコンサート 原田慶太楼指揮

        ミューザ川崎シンフォニーホール  3時

 7月23日から開催されていた「フェスタサマーミューザKAWASAKI2020」も、今日でめでたく閉幕。
 「めでたく」と言ったのは、この時世、このような大規模な音楽祭が予定通り開催されただけでも立派なものだからである。感染者を出さぬための主催者の神経の使いようも並みではなかったろうし、興行面でも「密」を避けるために集客数を半分以下に抑えたことによるチケット売り上げの減少をはじめ、難題も山積していたことだろうと思う。

 ともあれ今日のファイナル・ステージには、ホスト・オーケストラの東京交響楽団が、間もなく正指揮者に就任する原田慶太楼とともに登場し、極めて闊達な演奏を聴かせてくれた。
 プログラム冒頭、ショスタコーヴィチの「祝典序曲」では弦14型(14・12・10・8・7)および指定数通りの管に、オルガン席の前には金管のバンダ10本を配置するというフル編成で「胸のすくような」音を響かせた。久しく聴くことの出来なかったオーケストラの大音響である。

 この壮烈さは3曲目のリムスキー=コルサコフの「交響組曲《シェエラザード》」でも再現され、特に第4楽章の「嵐」や「難破」の場面では、轟く怒号となってホールを揺るがせた。ただ、私の聴いていた2CB(2階席後部ブロック)中央からは、ティンパニの「太い」叩き方の轟音がステージ全体に回り過ぎてオーケストラをマスクするような傾向が聴かれたのは気になったが・・・・。
 「若き王子と王女」の部分ではテンポを落してたっぷりと歌い上げてはいたが、総じて勢いに乗った演奏であり、それは原田の気鋭の指揮の特徴なのだろう。少し乱暴なところもないではないが、若々しくて好ましい。コンサートマスター・水谷晃のソロはモデラートに、優しくも毅然としたシェエラザードを描き出していた。

 この2曲の間に演奏されたのは、グリエールの「ハープ協奏曲変ホ長調Op.74」で、東京響の首席奏者・景山梨乃がソリストを務めた。
 豪華な装飾の楽器ライオン&ヒーリー製「style23 Gold」を駆使、コンチェルトをやや鋭角的な明るい音色で弾き、アンコールとしてルニエの「いたずら小鬼の踊り」を、今度は優雅な音色で聴かせてくれた。

 なお彼女は、ソリストとしての仕事が終ると、次は上手側後方に移って「シェエラザード」のハープのソロを受け持った。オーケストラのハープ奏者とは、なんとも忙しいものだ。ソリストの時とは打って変わって、「シェエラザード」では、ふくよかな音色の女性吟遊詩人の竪琴とでもいった雰囲気を聴かせたが、流石の使い分けである。
 その時、彼女はさっき着ていた華やかな衣装を脱ぎ、オーケストラの「制服」に着替えていた。なるほどそういうことになるわけか、と何故か妙に感心。

コメント

フェスタサマーミューザ

時々生配信で拝聴しました。この時期にこれだけの音楽祭を開催するのは、大変なご努力だったと敬服します。出演者、スタッフ、関係者の皆様、お疲れ様でした。関西圏で楽しめました。有難うございました。

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