2021-06

2020・7・18(土)太田弦指揮新日本フィルハーモニー交響楽団

      すみだトリフォニーホール  2時

 朝の新幹線で帰京、新日本フィルの「アフタヌーン コンサート・シリーズ」を聴くため、錦糸町に直行。

 今日は音楽監督・上岡敏之が「諸般の事情により・・・・出演できず」(楽団側の表現)のため、若手の太田弦が客演指揮した。
 だがこの人選は悪くない。こういう機会に日本の若手指揮者を積極的に登用し、彼らに活動の機会を与えるということは大切だからだ。それに太田弦は、昨年だったか新日本フィルに客演する予定のところ、体調不良で出演中止になったことがある。それもあって私も、彼の「大舞台」での指揮は、これまでに大阪響との「第9」(2019年12月27日)しか聴いたことがなかった。したがって今回はもっけの幸い、というところである。

 プログラムも、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第1番」(ソリストは田部京子)と、シューベルトの「交響曲第8番《ザ・グレイト》」━━と、全く変更がなかったことも有難い。コンサートマスターは崔文洙。

 太田弦の指揮は、大阪響との「第9」を聴いた時にはえらく几帳面に過ぎ、若い情熱に不足する演奏にとどまっていたという印象を受けていたのだが、今日の新日本フィルとの演奏を聴くと、同じ几帳面で端然としながらも、もっと活気に富み、勢いのある音楽をつくる若手指揮者という印象が強まって来る。

 「ザ・グレイト」では、それが如実に顕れていたのではないか。第1楽章の序奏は、最近の研究に従い、アラ・ブレーヴェのテンポで演奏されたが、はからずもこれは、今日の演奏への気魄を予告するような趣をも感じさせただろう。
 以下、長大な全曲にわたり、闊達なエネルギーが演奏に保持されていた。それは時に一気呵成に過ぎたり、単調な感を与えたりする向きもあったことは事実だが、その解決は今後に期待を繋ぐことにしよう。

 前半に演奏された田部京子との「第2コンチェルト」は、端正清涼、きりりとした気品を湛えたベートーヴェン、といった感か。オーケストラの力感そのものに不足はなかったし、この曲を古典派的なイメージで捉えるなら、こういうアプローチも一つの考え方だ。
 ただ、この作曲家の若き日の満々たる意欲を思えば、もう少し「若き獅子」的な意志が演奏にあっても良かっただろう。第1楽章での田部京子のカデンツァがいい。

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