2021-06

2020・7・15(水)佐渡裕指揮東京フィルハーモニー交響楽団

      サントリーホール  7時

 チョン・ミョンフン指揮の「英雄」などベートーヴェン・プロで予定されていた7月定期が、彼の来日不可のため変更になり、佐渡裕が客演してベートーヴェンの「コリオラン」序曲と「交響曲第7番」を指揮した。正味45分程度の短いプログラム。

 いかにも佐渡らしく、筋骨隆々の音楽で、「コリオラン」の冒頭から猛然たる力感がホールに轟きわたる。痛快と言えば痛快だろう。細部はともかく勢いで押して行く、という指揮は彼の美学だ。
 「7番」も同様、「リズムと力感の交響曲」に仕上げられた。第1楽章コーダのバスのオスティナートに起伏を持たせたり、第2楽章の最初の主題を暗く引き摺るように響かせたり、あるいは第1楽章再現部直前のリズムや第2楽章最後の8分音符に一瞬強いアクセントを付してメリハリをつけたり、といった細かい配慮は行われているけれども、基本的にはストレートな演奏設定である。

 今日の東京フィルは、三浦章宏をコンサートマスターに、弦は12-10-8-6-6。管は総譜指定通りの編成だが、ホルンのみは4本に倍加されていた。前述のように「勢い」優先の演奏だったから、アンサンブルは━━特に弦は、苦笑させられるくらい荒っぽかった。

 なおサントリーホールは、今夜から1階のソフトドリンクのバー・カウンターが再開されていた。これが開いているだけでも、ロビーの雰囲気がかなり明るくなって来る。ジュースでも飲もうかと思ったが、カウンターの前にロープを張った「行列用の」長い通路が作られ、その入り口には改めて手消毒用のアルコールが置かれ、「番人」が立っているという物々しい雰囲気だったので、気おくれがして止めた。
 かように会場の感染防止対策は徹底されているという、これは一つの良き見本である。聴衆は安心して聴きに来て可なりというわけなのだが━━。

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