2021-06

2020・7・10(金)日本フィル、広上淳一指揮で東京定期再開

      サントリーホール  7時

 「日本フィルハーモニー交響楽団がサントリーホールに帰ってまいりました!」という広上淳一の挨拶に、客席から拍手が巻き起こる。
 この挨拶はプログラム終了後に行われたものだが、聴きに来てくれたお客さんの前で演奏出来ることの喜びを率直に表したもので、なかなか心のこもったものだった。

 その聴衆の数は、2階RC席から見ると400人か、多くて500人といったところか(実数を確認したわけではないが)。
 事務局の話によれば「金曜日の定期会員が全部来てくれれば600人以上にはなるはずだが、昨日今日の東京都の新型コロナ感染者数増加の状況の中では、やはり外出を躊躇う高齢者も多くなったらしく、欠席の人も少なくない」由。当日売りを出したら如何なのか、と訊くと、「会員の席替え(市松模様への変更)処理が大変で、とてもそこまで手が回らない」とのこと。さもあろう。

 ともあれ、クラシック音楽の聴衆は静かだし、規律も守っているし、会場の感染防止対策は徹底を極めているし、交通機関の問題を別にすれば、もっと多くの人に来てもらっても大丈夫なはず、と思われる。

 今日のプログラムは、バッハの「ブランデンブルク協奏曲第3番」と、ブラームスの「第1交響曲」だった。弦楽器群とチェンバロの計11人で演奏されたバッハの美しいこと。何の濁りもない、清らかで気品のある作品の素晴らしさと演奏の爽やかさ。こんな気持で音楽を受容できるようになったことの嬉しさをも今更ながら噛みしめるような想い━━というのは個人的な感傷の致すところだが、いや事実、この広上と日本フィルの弦(コンサートマスターは扇谷泰朋)は天下一品の趣ではなかったか。

 ただしブラームスの「1番」の方は、溜まった鬱憤を晴らすかのような大熱演ではあったものの、好調時の日本フィルに備わっていたアンサンブルの瑞々しさや緊密さを失っており、しばらく演奏活動から遠ざかっていたことから生まれた欠陥を覆い隠すわけには行かなかったようだ。
 ━━もっとも、あの鬼将軍ラザレフが着任して建て直す以前の日本フィルは、ちょうどこんな演奏をしていたものだったが・・・・今回は遠からず立ち直るだろう。いや、名手・広上の指揮だから、明日(2日目)の公演だって、今日よりもっとまとまった演奏になるのではないかと思っている。

コメント

目頭しょぼしょぼ

きっと泣いてしまうだろうなと思っていたのですが、オケのメンバーが入場してきたときに通常はしない拍手が沸き起こり、それが高まるにしたがって感極まり目頭がしょぼしょぼしてしまいました(1回目)。
続いて広上さんの登場。ここでもじわっとこみ上げるものがあってしょぼしょぼし(2回目)、そしてバッハのふくよかな音であえなく3回目のしょぼしょぼ。
そしてブラームスの4楽章の有名なフレーズ。普通は聴きなれたものなので聴き流してしまうのですが、このときばかりは励ましの音楽、癒しの音楽となって心に響きここで最大級のしょぼしょぼ(4回目)。マスクがいつになく暑うございました(笑)。
おっしゃるように、演奏はタテの線が揃わなかったり少々しっくりこないところもありましたが、高揚感であまり気にならず、むしろ、観客がいない分音が乾いて流れてくるのか、4楽章の最初のあたりのピチカートがやたら響いたり、ティンパニの皮の響きが生々しく伝わってきたりという、こういうときだからこその体験が随所にあって、聴きに来てよかったという満足感に包まれました(土曜日に聴きました)。

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