2021-06

2020・7・5(日)鈴木優人指揮読売日本交響楽団

       東京芸術劇場コンサートホール  2時

 読響も本日から公開演奏会を再開したが、これは定期公演ではなく、特別演奏会。「日曜マチネーシリーズ~この自然界に生きる」というタイトルを付しての、休憩なし、1時間強の長さの演奏会だ。

 客席は例の如くの座席配置だが、今日は見たところ随分客が入っているという感じで、現行の感染対策基準入場者数━━つまり当ホール・キャパの50%(約1000人)までは行かぬとしても、それに近い数の聴衆がやって来た、という印象を抱かせる。
 これには、以前からの読響の人気、日曜のマチネー、手頃なプログラム、といった理由もあるだろうし、この4月から同楽団の「指揮者/クリエイティヴ・パートナー」に就任している若い鈴木優人の人気のゆえもあるだろう。

 いずれにせよ、いろいろな制約付きとはいえ、こうしてコンサートが少しずつでも正規の形に戻って行きはじめたのは、めでたいことと言えよう。そして今日は、鈴木優人の発信力に富むトークが客席を笑わせ、拍手をも呼び起こし、とかく暗めで粛々とした雰囲気に支配されがちなこのところのコンサートに明るさを与えていたことも歓迎されるだろう。カーテンコールでは、彼は単独でステージに呼び戻されていたのである。

 その鈴木優人が指揮したのは、マーラーの「第5交響曲」からの「アダージェット」、メンデルスゾーンの「管楽器のための序曲」、モーツァルトの「ジュピター交響曲」と言うプログラムだった。
 長原幸太をコンサートマスターとする読響も予想以上に音がまとまっていたのには一安心。

 注目の「ジュピター」では、第1楽章冒頭から「高音域を減衰させた」ようなユニークなバランスの音色で開始され、鈴木優人もなかなか個性的なことをやるな、と思ったのだが、提示部反復の際には━━引き締めが弱くなったか、それとも意図的にか━━このバランスがガラリと変わってしまっていたこともあって、その辺はよく判らない。
 重心のしっかりした、意志力を感じさせる「ジュピター」の演奏だったことは確かだが、彼がこの海千山千の楽員を巧く制御して自己の個性を発揮させるには、まだ時間が必要なのだろう。
 しかし、アンコールで演奏したラモーの「優雅なインドの国々」からの「未開人の踊り」こそ、音が少し分厚く重いとはいえ、あらゆる点で鈴木優人らしさを発揮した選曲と演奏だったことは間違いない。

コメント

7月5日 読売交響楽団 特別演奏会

マーラーはハープを含む弦楽器のみ。メンデルスゾーンは管楽器と打楽器のみ。モーツァルトは小編成の交響曲。
ということで、舞台上が「密」にならない工夫がされていた。
やはり、「クラシック音楽は生」。開演前、ハープが音調整をしていたが、ホワイエにも漏れ聴こえ、この音だけでも既に感動を誘う。
3曲ともドの音で始まるとのこと。偶然なのか、あるいは意図して「初心に返る」という意味を込めたのか。
さらに、作曲家名が全て「M」で始まるのは(鈴木さんのトークによれば)、「偶然」とのこと。ちなみに鈴木さんは「まさと(優人)」さんなので、「私もM」との話題もあった。
メンデルスゾーンの曲はコロナ禍の制約があったために出会った貴重な機会だと思った。
さまざまな知恵を入れつつ、徐々に普通の公演が増えていくことを期待したい。
鑑賞の注意事項として「ブラボーなどの掛け声は禁止」という項目があるが、この新しい生活様式に対する知恵として、bravoと綺麗に書いた紙を事前に用意し、これを掲げて指揮者と奏者にエールを贈る聴衆がいたことはほのぼのとするものであった。

久しぶりに

こんにちは。投稿は5ヶ月ぶり…ご無沙汰しておりました。
会員のみに席替えや抽選販売を案内したり、対策としては公演中の入退場も可(!東京フィル7月定期がそのようです)にしたり、やり方は様々ですが、読響はもとの席はキャンセルした上で、広く一般にも販売していましたね。
Web販売を見る限り、前日の時点で残席は3階席のみだったようですが、さらに当日券も出たそう。書かれているように盛況でした。

まだまだ難しい状況ですが、私もまずは再開をうれしく思います。個人的には在宅勤務が続くため、3ヶ月ぶりの電車での外出が、この日の演奏会でした。
普段では起こらない、団員入場のたびの拍手には、私もその聴衆の一人ではありますが、皆このときを待っていたんだなぁと本当に感慨深かったです。

東条先生のブログも次々に記事が挙がるようになり、非常に励まされます。お気をつけて、この先も楽しみにしております。

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