2019-05

12・14(日)METライブビューイング
ベルリオーズ:「ファウストの劫罰」

   新宿ピカデリー 午前10時

 今シーズンのメトロポリタン・オペラのライヴ映像シリーズ第3弾がこの「ファウストの劫罰」(11月22日収録)。ベルリオーズの音楽が好きな者にとっては、見過ごせない。

 ロベール・ルパージュの新演出だというから期待して行ったのだが、何のことはない、1999年のサイトウ・キネン・フェスティバル松本で彼が演出したもの(パリ・オペラ座との共同制作)と、骨格は全く同一だった。
 数層に組み上げられた櫓の舞台装置、そこで展開されるダンス、逆さ吊りのアクロバット、最終場面での梯子を登って「昇天」するマルグリットや、デブデブした裸の男声合唱団員が並ぶ見苦しき光景など――再演と言ってもいいほど、同じだ。
 松本でマルグリットを歌ったスーザン・グラハム(多分パリでも歌ったろう)も、今回の幕間のインタビューで「以前この演出で歌ったわ」と答えているから、間違いない。

 辛うじて「新演出」と名乗れるであろう唯一の差異点は、以前の舞台より遥かに大掛かりな映像演出が付加されたことであろう。
 しかしこれは非常に良く出来ていて、舞台の景観そのものをさえ一変させてしまうほど念入りなものである。この数年来の映像製作技術の進歩には、本当に感心させられる。ルパージュ自身もこの中で「舞台と映画との結合、異業種の参加協力によるオペラ上演の活性化」について語っていたが、共感させられるところ大きい。

 とはいえ、あの松本のテレビ収録映像と同様、「ビューイング」用ビデオでは、その全貌はもちろん、本来の魅力を伝えることはほとんど不可能である。これはあくまでも舞台全体を観なければ、真価は解るまい。それに今回の収録は、センスも手際も甚だしく悪い。スタッフ名は見逃したが、だれだったのだろう? ブライアン・ラージでなかったことは確かだが。

 音楽的には、なかなか良い。指揮はジェイムズ・レヴァイン、マルグリートは前出のスーザン・グラハム。メフィストフェレスはジョン・レリアで、この人は悪役としてもこの数年来飛躍的に上手くなった。ファウストはマルチェロ・ジョルダーニ。幕間のインタビューアーとしてトーマス・ハンプソンが出演していた。

コメント

東條先生。もうHD収録されたのが上映されたのですね。私共はこの収録時の上演をMETで見ていました。阿部さんともその時話していたのですが、サイトウキネンの時と同じ演出ですが、たまたま私はその時サイトウキネンのDVDを持って行っていましたので、早速比較してみましたが、サイトウキネンの方が細部まで気を使った演出と思いました。またファウストとメフィストフェレスの役もサイトウキネンのサヴァティーニとファン・ダムの方が良かったと思います。

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