2020-05

2020・3・28(土)広上淳一指揮京響のライヴ・ストリーミング

     京都コンサートホール  2時30分

 新型コロナウィルス感染数が急激に増加し始めた東京では、大ホールにおけるコンサートやオペラはほとんど全部が中止されている。
 私が期待していた今日午後の鈴木優人と東京響の「マタイ受難曲」も延期となっていたが、もっともこれは合唱団の問題が大きかったからだと聞く━━岐阜で発生した「合唱での感染」は、合唱をやっている人たちに非常な衝撃を与えているようだ。4月に大規模な合唱曲をプログラムに組んでいた某オーケストラの定期公演にも変更を生じさせたという情報も入って来たほどである。

 そこで、外出自粛の件もあったことだし、今日は自宅のパソコンの前で京都市交響楽団の非公開演奏によるネットのライヴ・ストリーミングを視聴させてもらうことにする。
 指揮は常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザー(4月からは常任指揮者兼芸術顧問)の広上淳一で、プログラムは、シューベルトの「交響曲第5番」とマーラーの「交響曲第4番」、アンコールはシューベルトの「ロザムンデ」間奏曲。マーラーでのソプラノ・ソロは森谷真理。

 完璧な収録用セッティングではないと思われるバランスのマイクを通して聴く演奏だから、厳密なことは言えないけれども、広上のもとで西日本随一の、いや国内でもベストのグループに入る存在となっている京響の演奏の見事さは、充分に堪能することができたと思う。特にシューベルトの2つの作品における弦の瑞々しい表情が印象に残る。このプログラム、ナマで聴きたかった。

 ただ、これは演奏者の責任では全くないが、音が映像とほんの僅かずれて聞こえて来ることが気になった━━それがインターネット固有の問題なのかどうかは、私には判らない。
 そしてもうひとつ、マーラーの第4楽章で、ソプラノのソロの声を拾うべきブースターマイクが立てられていなかったため、森谷真理の声が直接音で捉えられず、非常に遠く聞こえてしまい、折角のいい演奏が肝心の中継の段階で滅茶滅茶にされてしまう結果を招いたのは、かえすがえすも残念なことであった。
 後者は、収録の基本を心得ていない技術スタッフの、取り返しのつかぬ大失態である。放送局の生中継だったら、ディレクターとエンジニアのクビが飛ぶことは間違いない。

 また、マーラーが終ったあとでいろいろあった舞台上でのゲストのスピーチも、ハンドマイクの音声が中継のラインに接続されていなかったらしく、ただ場内PAの音を拾うだけだったため、ワンワン響いて明確に聞き取りにくい結果を生んだことも、技術上の大失態である。

 それらの点を別とすれば、広上=京響の最新のライヴ演奏を全国に生中継で伝えた企画そのものは素晴らしく、成功を収めたといえよう。
 一方、話は違うが、関西フィルハーモニー管弦楽団も、31日に高関健の指揮でウェーバーの「クラリネット協奏曲第1番」(ソロはカルボナーレ、来日中止)と、ショスタコーヴィチの「第8交響曲」を演奏する定期を組んでいた。これも残念ながら(私も聴きに行くつもりでいた)公演中止となったが、聞くところによると、無観客生中継の案も検討されたらしい。しかし、楽員や事務局から「せっかくタコ8を演奏するなら、やはりお客の目の前でやりたい、機会を改めてやることにしようよ」という声が出て、ストリーミングは見送られたという話である。それぞれの考え方がある。

コメント

高関/関西フィルのタコ8楽しみにしていたのだが残念。どうにかならなかったのかな、シフのコンサートは実現していたが。

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