2020-04

2020・1・25(土)飯森範親指揮東京交響楽団

    サントリーホール  6時

 横浜から首都高速を飛ばして都心へ戻り、正指揮者・飯森範親が指揮する東京交響楽団の定期演奏会を聴く。

 第1部ではすさまじく意欲的なプログラムが組まれていた━━最初はヘルムート・ラッヘンマン(1935~)の「マルシュ・ファタール」という名の、大編成のオーケストラによる小品。
 これはまあ、ストラヴィンスキーの「サーカス・ポルカ」を、大がかりに、物々しく騒々しくした曲と思えばいいだろうか。終り近くでは指揮者がステージを離れて客席に座ってしまうのだが、オーケストラは同じ個所を堂々巡りするばかりとあって、再び指揮台に上って締め括るという余興(?)も織り込まれる。

 続いてゲオルク・ビュヒナーの戯曲を基にした作品が2曲━━ゴットフリート・フォン・アイネム(1918~96)の「ダントンの死」組曲と、ヴォルフガング・リーム(1952~)の「道、リュシール」という作品が続けて演奏されたが、この選曲は面白い。もっとも、後者が初演された時にも前者が一緒にプログラミングされていたという話だ(プログラム冊子掲載解説による)。

 「ダントンの死」はもはや古典的存在だが、滅多に演奏会では聴けないので、これは貴重な体験であった。冊子には日本初演と書いてあったが━━1950年代のN響の「フィルハーモニー」誌で何か見たような気もするのだが、あれは定期のプログラムの解説だったろうか、それとも単なる記事だったろうか? 

 いずれにせよしかし、音楽の面白さから言えば、圧倒的にリームの方だろう。ここではソプラノの角田祐子が協演し、フランス革命時に処刑された女性リュシールの、最後に「国王万歳!」と絶叫するまでの長大な狂気のモノローグを素晴らしい表現力で歌ってくれた。字幕があれば有難かったのだが━━。

 このスリリングな第1部に比べると、第2部で演奏されたR・シュトラウスの「家庭交響曲」が、何となく弛緩した雰囲気で聞こえてしまうのはやむを得まい。いや、そんなことを言ったら、入魂の熱演を行なった飯森範親と、それに応えた東響に失礼になろう。後半における、シュトラウスのオーケストラの秘術を尽した部分での演奏は、実に壮大で、立派だった。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | HOME |  »

























Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

最近の記事

お知らせ

●2007年7月以前のArchivesを順次、アップロード中です。併せてご覧下さい。
2007年7月
2007年6月
2007年5月
2007年4月
2007年3月
2006年7月

Category

ブログ内検索

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」