2020-02

2020・1・23(木)サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団

     東京芸術劇場 コンサートホール  7時

 エサ=ペッカ・サロネンは、間もなくサンフランシスコ響に転出する。従って、彼が「首席指揮者兼アーティスティック・アドヴァイザー」の肩書でこのフィルハーモニア管弦楽団と日本公演を行うのは、多分今回が最後になるのだろう(フィルハーモニア管の後任はサントゥ=マティアス・ロウヴァリの由)。

 今日は、ラヴェルの「クープランの墓」と、庄司紗矢香をソリストに迎えてのシベリウスの「ヴァイオリン協奏曲」、それにストラヴィンスキーの「春の祭典」というプログラム。 
 当初はトルルス・モルクがソリストとして来て、サロネンの「チェロ協奏曲」を日本初演すると予告されていたのだが、肺炎に罹ったとかいう噂で(定かではない)、曲目と演奏者がこのように変更となった。

 もっともこの変更には、お客さんの大多数はむしろ喜んだかもしれない。庄司紗矢香のソロはいつもながら素晴らしく、このコンチェルトを堅固かつ躍動感を以って、特に第2楽章では息詰まるような緊迫感を以って展開してくれたからだ。

 一方のサロネンの指揮は、最初の「クープランの墓」では、エレガントな馥郁たる香りのラヴェル像といったものは意識的に避け、むしろ明晰な構築とメリハリを前面に押し出す。うっとりさせられる演奏ではないにせよ、ラヴェルの管弦楽法の巧みさを堪能させてくれる、そういうタイプの演奏だったと言ってもいいだろう。

 だが、やはりこの日の白眉は、「春の祭典」であったろう。サロネンの指揮は、これまであまり聞いたことのないほど、強烈だった。一つ一つの和音を叩きつけるように激しく、しかも猛烈果敢な攻撃性を備えた構築でたたみかけ、追い上げる。そしてその音響の強大さたるや群を抜いた物凄さで、この作品の凶暴さをいやが上にも聴き手に印象づけたのである。

 フィルハーモニア管弦楽団の巧さも見事なものだ。曲冒頭のファゴットの不思議な艶めかしさを感じさせる濃厚なソロをはじめ、首席ティンパニの強力で歯切れのいい打撃、豪快に咆哮するホルン群など、変な言い方だが、何か楽々と演奏しまくっているような雰囲気を感じさせたものである。
 彼らの演奏会は来週にもある。聴きに行くのが楽しみになって来た。

コメント

兵庫で拝聴しました

兵庫でのプログラムは、シベリウスの交響詩[大洋の女神]、ショスタコーヴィチの[ヴァイオリン協奏曲第1番]、ソリストは庄司紗矢香さん、そして、ストラヴィンスキーの[春の祭典]でした。サロネンさんとこのオケが、おそらく最後の日本公演ということで、楽しみと寂しさの入り交じったひとときでした。庄司さんの演奏は、何度か拝聴してきましたが、完成度を上げていらっしゃいますね。お見事でした。圧巻はやはり[春の祭典]でした。迫力ある素晴らしい演奏だったと思います。もう一度、拝聴したいなあ。

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