2020-04

2019・12・9(月)ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラ

      東京文化会館小ホール  7時

 ヴァイオリンの日下紗矢子がリーダーを務めるベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラ。メンバーはもちろんあのベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団(旧東独ベルリン響)に所属する人たちが中心だ。
 今年が結成10周年にあたるが、これが早くも4度目の日本公演になる由。弦12人にチェンバロを加えた計13人編成による来日である。

 この団体の演奏を聴いていると、その音色には、彼らの母体たるオーケストラが、その本拠としている壮麗なベルリンのコンツェルトハウス(昔のシャウシュピールハウス)で響かせる特徴がそのまま映し込まれているような気がする。飾り気のない、剛直で、重厚さを備えた響きだ。イタリア・バロックを演奏する時でさえ、それは変わらない。
 月並みな表現になるけれども、所謂良き時代のドイツのローカル色を未だに残している貴重な個性といっていいかもしれない。こういう独自の個性を持ち、それを守り抜いているオーケストラは、当節では貴重である。

 前半にはコレッリ~ジェミニアーニの「ラ・フォリア」、ヴィヴァルディの「ムガール大帝」、コレッリの「クリスマス協奏曲」といった合奏協奏曲やヴァイオリン協奏曲が演奏され、日下紗矢子が全てのソロを鮮やかに、烈しい気魄を迸らせて弾いた。
 ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団の第1コンサートマスターとして長年活躍している彼女の実力が、今回も日本のファンにはっきりと示されたであろう。

 後半には弦楽合奏の形で、シベリウスの「アンダンテ・フェスティーヴォ」とグリーグの「弦楽四重奏曲ト短調」(日下紗矢子編)、アンコールとしてレスピーギの「《リュートのための古風な舞曲とアリア》第3組曲」からの「イタリアーナ」と、グリーグの「ホルベアの時代から」の「リゴードン」が、これまたいずれも極度に強靭な力感と鋭角的なニュアンスを以って演奏された。

 エネルギーには富んではいる。が、その硬質な響きが、しばしば過剰に攻撃的な色合いを帯びてしまうのは、必ずしもホールのアコースティックの所為だけとも思えないのだが━━。

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